敬語表現は多岐にわたりますが、動詞だけでなく名詞でも敬語表現は可能です。
今回の「ご出席」もそれに関わるもので、これより解説いたします。
「ご出席」とは?
「ご出席」とは?
まずは、「出席」の意味について念の為説明しておきましょう。
「出席」とは、「講義や授業または会合や式典などに参加すること」です。
ただし、何の制約もなく自由参加できる場合には用いず、参加する可能性のある者が、何らかの形で限定されている場合に使用される傾向があります。
また、「出席」に付いている「ご」は、言葉の頭について意味を形成する「接頭辞」「せっとうじ」と呼ばれるものであり、「ご」には敬語表現を作る機能があります。
今回は「出席」するのは「相手」ですから、敬語表現の中でも「尊敬」の意味で使用されていると考えられるわけです。
通常、講義や授業に出席するのは「教えられる側」ですので、「ご出席」という形での使用においては、基本的に「会合」や「式典」での「出席者」に対して使われます。
「ご出席」の使い方や使われ方、使うときの注意点
「ご出席」の使い方や使われ方、使うときの注意点
「ご出席」という言葉がよく使用されるケースとしては、まず招待関係での表現の中です。
招待状の出欠確認欄で、「ご出席」という選択項目が記載されているのを目にした経験がある方は多いはずです。
出席する意思表示の場合には、接頭辞の「ご」が尊敬表現であるため、自分自身で使うことができずに、二重線で消すのがマナーとなっています。
また、会合や式典の冒頭の挨拶で「本日はお忙しい中、ご出席いただきまして感謝申し上げます」などと言った形で使用されることも考えられるでしょう。
「ご出席」という形で使用されているため、この形で使用される場合には、表現全体も敬語表現で使用されるものと考えられます。
「ご出席」を使った例文や文章
「ご出席」を使った例文や文章
それでは他に考えられる「ご出席」を用いた使用例を挙げてみましょう。
・『前回ご出席いただいた際には、大変お世話になりました』
・『是非ご出席ください』
・『ご出席になる場合、ご一報ください』
「ご出席」の類語や言い替え
「ご出席」の類語や言い替え
「出席」の類語は数多くあります。
「列席」、「臨席」、「出座」、「列座」、「参列」、「参会」などが代表的なものですが、他にも存在しており、言い替えの選択範囲はかなり広いといえるでしょう。
ただ、「出席」に隠された意図として、「参加」自体に「招待」や一定の「資格」保有などの制約があることは意識しておきましょう。
以上を踏まえた「ご出席」の言い替えとしては、「ご列席」や「ご臨席」または「ご参列」などが挙げられます。
まとめ
まとめ
「ご出席」とは、授業や会合もしくは式典などに参加するという意味のある「出席」に、尊敬表現の接頭辞「ご」を付けたものです。