「ひっそりと静かな様子」「お店でお客が来ない様子」
「閑古鳥が鳴く」の解説
「閑古鳥が鳴く」の解説
「閑古鳥が鳴く」の意味と由来について紹介します。
「閑古鳥が鳴く」の意味
「閑古鳥が鳴く」の意味
「閑古鳥が鳴く」は「かんこどりがなく」と読み、以下の2つの意味があります。
1つ目は「人が全く訪れず、ひっそりと静まり返っている様子」という意味です。
人がいる時に発する物音がせず、野外ならば風の音や草木が揺れる音、室内ならば家電や機械類のモーター音やBGMくらいしか聞こえない状態です。
2つ目は「客が来なくて商売が流行らない様子」という意味です。
お店の中に全くお客が見えず、店員ばかりが目立つ状態です。
お客がいないということは売り上げがない、つまり商売が流行っていないという意味も含むのです。
「閑古鳥が鳴く」の由来
「閑古鳥が鳴く」の由来
「閑古鳥が鳴く」の「閑古鳥」とは、「郭公(かっこう)」の別名です。
「郭公」は、高原や山の中などで見られる鳥で、全長は30センチ程で尾が長く、鳴き声が「かっこう」と聞こえることから名づけられました。
「郭公」は静かな環境を好み、夏の高原や山の中で、小川のせせらぎや木々のすれる音など、静かな場所で鳴き声が聞かれます。
しんと静かな場所で「かっこう」という鳴き声が聞こえるともの悲しく感じることから、「人気が無い」「商売が流行らない」という意味で使われる様になりました。
「閑古鳥が鳴く」の使われ方
「閑古鳥が鳴く」の使われ方
「閑古鳥が鳴く」は、基本的には「静かな場所に行った時」に使われる言葉です。
日常的に使われることが多いのは、「お店が繁盛していない時」「商店街や観光地がさびれている時」などです。
その場所に行き、流行っていないなと感じた時に「閑古鳥が鳴く」と使われます。
「閑古鳥が鳴く」を「やることがない」「暇である」という意味で使う人がいますが、こちらは誤用になります。
あくまで「静かで物寂しい様子」「商売が繁盛していない様子」という意味であり、そこにいる人の仕事の状態を表す言葉ではありません。
「閑古鳥が鳴いているので休憩しよう」というのは不自然な文になります。
「閑古鳥が鳴く」の例文
「閑古鳥が鳴く」の例文
「閑古鳥が鳴く」の例文を紹介します。
「コロナ禍で飲食店に閑古鳥が鳴いている」
「コロナ禍で飲食店に閑古鳥が鳴いている」
コロナ禍により会食を控える人が増えて、飲食店にお客が来なくなり、商売が繁盛しない様子を表してます。
「地方の観光地では閑古鳥が鳴いている」
「地方の観光地では閑古鳥が鳴いている」
大型のテーマパークが増えてそちらに人が流れてしまい、地方の観光地に人が来なくなり、さびれてしまっている様子を表しています。
「商店街に閑古鳥が鳴いている」
「商店街に閑古鳥が鳴いている」
街中に大規模なショッピングモールができた影響で、商店街にお客が来なくなってしまい、さびれてしまっている様子を表しています。
「今年は冷夏でビーチに閑古鳥が鳴いている」
「今年は冷夏でビーチに閑古鳥が鳴いている」
夏に思った程気温が上がらず寒いせいで、例年よりも海水浴客が減ってしまい、ビーチに人が少なく、海の家などが閑散として寂しい様子を表しています。
「閑古鳥が鳴く」の類語・言い換え表現・関連語
「閑古鳥が鳴く」の類語・言い換え表現・関連語
「閑古鳥が鳴く」の類語・言い換え表現・関連語を紹介します。
「人っ子一人いない」
「人っ子一人いない」
「誰もいない」という意味で、「人っ子」は「人」を強めて言う言葉です。
「門前雀羅を張る(もんぜんじゃくらをはる)」
「門前雀羅を張る(もんぜんじゃくらをはる)」
「人気がなくさびれていること」という意味です。
誰も訪れる人がいなくて、門の前に雀が群れてしまい、網を張ってつかまえらえる程さびれているという意味です。
中国の歴史書「史記」からの引用になります。
「閑古鳥が鳴く」の英語
「閑古鳥が鳴く」の英語
「閑古鳥が鳴く」は英語で直訳すると“cuckoo sings.”ですが、海外ではその様な慣用句はありません。
その場の雰囲気により使い方が違いますが、“It’s a deserted place(砂漠の様に寂しい場所だ).”などと言うこともあります。