「お伺いさせていただきます」とは?
ビジネスにおけるメールや会話での使い方や敬語の使い方を徹底した解釈で以下に詳しく説明します。
「お伺いさせていただきます」とは?
「お伺いさせていただきます」とは?
このフレーズは実際には存在しない、間違った表現です。
正しくは「伺います」という言葉になります。
相手を訪問する際にこのフレーズが使用されていることがあります。
大切なお客様などに対して使われる丁寧な表現という印象を受けますが、この表現は間違った言いまわしです。
その理由はこのフレーズが二重敬語となっているからです。
このフレーズの構成は、「訪れる」の謙譲語「伺う」に謙譲の意の接頭語「お」が付き、「させる」の連用形「させ」に接続詞「て」が付いた「させて」と「もらう」の謙譲語「いただく」、丁寧語の「ます」で成り立っています。
このように「お」「伺う」「いただく」と一つの言葉に謙譲語が3つ重なっているため三重の敬語となっています。
「お~する」形式は1つの謙譲語とみなせますが、それでも二重敬語となります。
また、「~させていただく」という言いまわしは、相手に対して許可を求める際に使用する表現です。
許可を求める訳ではない場合は「~させていただく」を使うのは間違いです。
そのため、「お伺いさせてください」「伺わせていただきます」も間違った敬語表現となります。
「お伺いさせていただきます」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
「お伺いさせていただきます」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
上述の通り、正しい敬語表現は「伺います」となります。
「伺う」には「行く・訪ねる」の意と「聞く・尋ねる」の2つの意味合いがありますが、どちらの意味でも敬語は「伺います」を使用します。
この言いまわしは謙譲語「伺う」に丁寧語の「ます」が付いた形です。
敬語の種類が違うため二重敬語には当たりません。
ただし、敬意を示す対象がいない場合は使えません。
例えば、「リフレッシュ休暇を利用して、旅行で北海道に伺います」という使用方法は誤用となります。
間違った敬語表現を使って社外の人にメールを送ってしまうと、ビジネスマナーのない非常識な社会人だと思われて、マイナスイメージになる可能性がありますので注意しましょう。
「お伺いさせていただきます」を使った例文
「お伺いさせていただきます」を使った例文
このフレーズを正しい敬語にして使った例文をご紹介します。
・『明日10時にそちらに伺いますのでよろしくお願いいたします』
「お伺いさせていただきます」の類語や言い替え
「お伺いさせていただきます」の類語や言い替え
このフレーズに類似した言葉や言い替えの一例を紹介します。
・『伺いたく存じます』
・『寄らせていただきます』
・『承ります』
まとめ
まとめ
相手が目上の人や取引先だったりすると丁寧な敬語にするために表現が過剰になりがちですが、丁寧な印象だけで使用すると誤用する恐れがあります。
正しい表現方法をマスターしてから使うようにしましょう。