日常生活ではあまり目にしない、耳にしない言葉でも、フォーマルな場面では使用される表現は多いものです。
今回の「ご容赦いただく」もそのようなフレーズの1つであり、これより解説いたします。
「ご容赦いただく」とは?
「ご容赦いただく」とは?
まず、「ご容赦」の「容赦」について。
読み方は「ようしゃ」で、意味は「許すこと」か「手加減すること」です。
「ご容赦いただく」では、どちらの意味での使用もあり得ます。
そしてこのフレーズで重要なのは、「ご〜いただく」で「〜してもらう」という意味を持ち、相手を立てる「謙譲表現」のパターンが用いられている点です。
尚「ご」はいわゆる尊敬表現を作る接頭辞であり、名詞や活用語の名詞的用法の頭について、尊敬や謙譲もしくは丁寧などの表現を作り出す効果があります。
以上のことから、「ご容赦いただく」とは、「(相手に)許してもらう」という意味の謙譲表現です。
「ご容赦いただく」の使い方や使われ方、使うときの注意点
「ご容赦いただく」の使い方や使われ方、使うときの注意点
このフレーズが使用されるのは、まず「相手に許してもらう」時です。
例えば、製造会社のクレーム担当者が、顧客から商品についてクレームを受けた場合、「今回は、全額返金ということでご容赦いただく形にしたいと思います」などと用います。
次に考えられる「手加減してもらう」時の使用例としては、「大量発注による値引きについては、10万円ほどでご容赦いただくことにはできないでしょうか」などの形が考えられるでしょう。
「ご容赦いただく」を使った例文や文章
「ご容赦いただく」を使った例文や文章
それでは、既に挙げたもの以外で考えられる例文を、以下に出してみましょう。
・『賠償金を払うことで、何とかご容赦いただくこととなった』
・『謝罪のみでご容赦いただくわけには参りません』
・『訓練はこの程度でご容赦いただく』
「ご容赦いただく」の類語や言い替え
「ご容赦いただく」の類語や言い替え
「ご容赦」の言い替えとしては、「お許し」や「ご勘弁」などの類語の使用が考えられます。
また、「いただく」は、「自分が相手からしてもらう」という意味ですが、これは「相手が自分にしてくれる」ということと、視点のみを変えた本質的に同じ意味ですので、「くださる」という尊敬表現で言い替えることも出来ます。
以上のことから、「お許しくださる」や「ご勘弁くださる」が言い替え表現候補と言えるでしょう。
まとめ
まとめ
「ご容赦いただく」とは、「許してもらう」や「手加減してもらう」という表現をかしこまった形にしたものです。