「失速」の解説
「失速」の解説
「失速」は「しっそく」と読み、以下の3つの意味があります。
1つ目は元の意味で「飛行機が飛行中に、何らかのトラブルにより機首が下ってしまい、急激に速度が落ちて硬度が下ってしまう現象のこと」です。
2つ目は上記から転じて、「乗物や走っている人などが、急激に速度が落ちること」という意味です。
3つ目は更に転じて「人やものごとが、急に勢いや活気を失うこと」という意味です。
上記に共通するのは「急激に速度や勢いが落ちること」という点です。
今までかなり速いスピードで進行してきたものが、何らかの理由により、急激にその速さや勢いを維持できなくなる時の表現です。
「失」は「うしなう」、「速」は「はやさ」、「失速」で「速さを失う」になります。
それまで継続的にかなり速いスピードで活動している物や、他の人と比較して非常に勢いに乗っている人が、自分で意図せずに遅くなってしまうことで、本人も周囲の人も自覚している状態です。
見ている側も当事者も「失速している」と言い、主観的、客観的どちらでも使えます。
ただし、時速何キロ以下になると失速という明確な基準がない為に、「それまでのスピードを基準として、それ以下に落ちた時」という目安になります。
「失速」の使われ方
「失速」の使われ方
「失速」は、「失速する・した」と助動詞を伴って使われることが多くなります。
人が目で見てスピードが落ちているものに対してだけではなく、人気や勢力などが急激に衰えている状態にも使われます。
「アイドルの人気が失速する」は、急激に人気がなくなる状態を表しています。
「会社の経営が失速した」と言う場合、今まで収益が上昇していた状態であったのに、急に経営が行き詰ってしまったことを表しています。
「失速」は、現在既に速度や勢いが落ちている人や物に対して使われますが、状況次第で再度復活することもあります。
また、「失速」だけでは単に速度や勢いが落ちたという事実を述べるだけですので、日常会話で使う場合には、最初にどれ位の速さだったのか、それがどの時点でどの様に「失速」したのかという説明が必要になります。
「失速」の例文
「失速」の例文
・『飛行機が気流にもまれて失速した』
・『高速道路で車がエンジントラブルを起こし、失速して恐かった』
・『長距離でトップのランナーが後半戦で失速して遅れた』
・『長年不動の人気を誇った彼も、ついに失速してきたか』
「失速」の類語・言い換え表現・関連語
「失速」の類語・言い換え表現・関連語
「陰りが生じる(かげりがしょうじる)」
それまで順調だったものごとに、不安や心配されることが発覚することを言います。
「竜頭蛇尾(りゅうとうだび)」
始めは勢いが良いが、終わり頃になると急に勢いが衰えることを言います。
「落ち目になる(おちめになる)」
勢いなどが絶頂期を過ぎて失われていくことを言います。
「失速」と「減速」の違い
「失速」と「減速」の違い
「失速」は、「何かの理由によりスピードや勢いが急激に失われてしまった状態のこと」です。
スピードが落ちる場合は危険が伴い、勢いが失われる場合には衰退する可能性があるなど、良くない結果に結びつく時に使われます。
「減速」は、「徐々に速度を落としていくこと」です。
「減速」も乗物に使われる言葉ですが、曲がり角や坂道など、理由が分かっていて、運転している本人が納得して、自ら操作している時に使われることが多くなります。
車を運転している場合は、自らブレーキをかけて「減速」することもあり、悪い意味に使われる言葉ではありません。
「失速」は「予期せずに速度や勢いが落ちてしまうこと」、「減速」は「理由があって自ら速度を落とすこと」と覚えておきましょう。