滅多に見ない表現を大人になると見ることがありますが、「知識の涵養」というフレーズもその1つではないでしょうか。
今回はこのフレーズについて解説いたします。
「知識の涵養」とは?
「知識の涵養」とは?
「涵養」は「かんよう」と読みます。
「涵」は「ひたす」や「染み込む」という意味があり、「養」は「育成する」という意味で用いられています。
よって、「涵養」で「水が地中に染み込んでいくように、ゆっくりと無理なく育てる」という意味になります。
以上のことから、「知識の涵養」で「(教育によって)知識を徐々に養い育て蓄えていくこと」を表現しています。
「知識の涵養」の使い方や使われ方、使うときの注意点
「知識の涵養」の使い方や使われ方、使うときの注意点
「知識の涵養」という言葉が使われるのは、人が詰め込み教育による無理な結果ではなく、成長に合わせて無理なく知識を養い育て蓄えていく様を表現する場合です。
教育関連の表現で、詰め込み教育のような「バランスの悪い」教育と対比して用いられる傾向があります。
ゆったりと無理なく知識を蓄えていくことで、単に知識を得るだけでなく、人格含めた人としての成長も図れるという意味合いがあります。
そういう意味で、知識という表現ではありますが、単なる情報としての知識ではなく、知性や教養という意味合いがあるものと考えましょう。
これについては、後から出てくる「言い換え表現」の部分でも再度触れます。
「知識の涵養」を使った例文や文章
「知識の涵養」を使った例文や文章
それでは、このフレーズを使った例文を挙げてみましょう。
・『教育の本質は知識の涵養にある』
・『知識の涵養なくして人としての成長なし』
「知識の涵養」の類語や言い換え表現
「知識の涵養」の類語や言い換え表現
「知識」の類語としては、「物事を見聞きして得た知識」という意味の「知見」「ちけん」や、学問で得た知識や見識という意味の「学識」「がくしき」などが考えられます。
ただ、先程も触れたように、「知識の涵養」は単なる知識の蓄積だけでなく、人としての成長の意味合いも言外にあることに注意が必要です。
よって、「物事についての知識を得て、考え、適切に判断すること」という意味がある「知性」による言い換えがより適切です。
「涵養」については、「育成」や「教育」などが考えられますが、「ゆっくりと育てる」という意味では、「ある状態をゆっくりと作り出す」という意味もある「醸成」「じょうせい」での言い換えもあり得るでしょう。
以上により、「知識の涵養」の言い換えとしては、「知見の醸成」や「学識の育成」を候補として挙げます。
また、「学問や知識を得て心も豊かに養われること」を意味する「教養」であれば、「知識の涵養」を一語で言い換えできると言えるでしょう。
まとめ
まとめ
「知識の涵養」とは、「知識をゆっくりと無理なく、育て養っていくこと」という意味があります。
この場合の「知識」は、単純な「知識」というより「知性」や「教養」という意味合いで使用されています。