目上の人に対してアピールしなくてはならない場面は、社会人になると多々ありますが、「学ばせていただきます」はそのような場面で頻出するフレーズと言えるでしょう。
今回はこのフレーズについて解説いたします。
「学ばせていただきます」とは?
「学ばせていただきます」とは?
「学ぶ」はそのまま「知識や技術を教えてもらって覚える、会得する」あるいは「自分で勉強する」という意味があります。
また「学ばせていただきます」は、文法的に分解すると「学ぶ」に使役の助動詞「せる」、接続助詞の「て」、「もらう」の謙譲語「いただく」、丁寧表現を作る助動詞「ます」がそれぞれ活用変化しながら合体したものです。
「せる」は「させる」と同じ働きをしますので、これはいわゆる「させていただく」構文になっていることがおわかりになるかと思います。
更に「させていただく」構文は、「相手に遠慮しつつ〜させてもらう」という意味があります。
つまり、「学習させてもらっています」と相手に伝える謙譲表現がこのフレーズの内容になるわけです。
「学ばせていただきます」の使い方や使われ方、使うときの注意点
「学ばせていただきます」の使い方や使われ方、使うときの注意点
このフレーズは、目上の人に対し、「しっかりと学んでいますよ」とアピールするための尊敬表現です。
学びの対象は、相手からの具体的な指導の場合もあれば、普段の何気ない態度や言動、あるいは人に直接絡んだことではなく何らかの事例など、特に「教育」に限定された局面に限りません。
例えば、「部長のアドバイスから学ばせていただきます」であれば、具体的な指導についての学びの事例となります。
一方、特に教育に限定されない態度や言動についての学びであれば、「社長の取引先への心遣いについて学ばせていただきます」と言った使用が考えられます。
尚、「させていただく」構文は、「相手もしくは第三者の許可を得て、且つ自分のためにすること」という条件を満たさないと、本来使用出来ないというルールがあります。
ただ、少なくとも「相手の許可」については、現実の使用事例では目上の相手への「遠慮」の意図が強いので、具体的に許可されることまでは要求されないケースが大半です。
「学ばせていただきます」を使った例文や文章
「学ばせていただきます」を使った例文や文章
それでは上記以外に考えられる使用例を挙げてみましょう。
・『今回の課長の対応から学ばせていただきます』
・『今後このようなことがないよう、この度の不手際から学ばせていただきます』
「学ばせていただきます」の類語や言い換え
「学ばせていただきます」の類語や言い換え
「学ぶ」については、類語として既出の「学習する」や「勉強する」が挙げられます。
「させていただく」については、通常の「いたす」による謙譲表現で基本的に問題なく言い換えられるので、「させていただきます」は「いたします」で代用可能です。
よって、「学ばせていただきます」の言い換え表現は、「勉強いたします」などが候補として挙げられます。
まとめ
まとめ
「学ばせていただきます」とは、相手からの指導、普段の態度や言動、あるいは何らかの事例などから学ぶことを、相手に遠慮しつつアピールする意図のあるフレーズです。