古めかしいフレーズであっても、現在でも割と使われるものとして、「三行半を突きつける」という表現があります。
今回はこのフレーズについて解説したいと思います。
「三行半を突きつける」とは?
「三行半を突きつける」とは?
まずはこのフレーズの読み方から押さえておきましょう。
「みくだりはんをつきつける」です。
「三行半」の読みは「みくだりはん」であり、「さんぎょうはん」ではないので注意してください。
意味は、「愛想を尽かして、相手との関係や交流もしくは交際を断つこと」です。
語源から説明すると、「三行半」は、江戸時代において、夫が妻に離婚を申し渡すいわゆる「離縁状」「りえんじょう」のことです。
当時の離縁状は、三行半で書かれたものが多かったことから、このように呼ばれるようになったという説明が一般的になされています。
他に「三下り半」という表記がされる場合もあります。
現代ではその「離縁状」が一般的な「絶縁状」という意味で使用されるようになって、このような形で残っているのです。
基本的に、「相手」は人ですが、稀に所属する組織に対して使用されることもあります。
尚、「突きつける」や「突き付ける」の意味は、「強めに相手に差し出す」や「凶器などを相手に差し出す」ということです。
「三行半を突きつける」の使い方や使われ方、使うときの注意点
「三行半を突きつける」の使い方や使われ方、使うときの注意点
相手との関係を強い態度で断ち切るということですので、断ち切られる相手にかなりの非があること前提としての使用傾向が見られます。
例えば、知り合いが友達に多額のお金を貸したが踏み倒され、絶縁したことを当然と考える場合、「彼が友人に三行半を突きつけるのもよくわかる」といった形で使用します。
ただ、単純に「絶縁した」という客観的な意味での使用もあり得ますので、その点は注意しましょう。
当然、現代でも「離縁状」つまり「離婚の申し渡し」という意味合いで「三行半」は使用されることもあり、「浮気がバレたので、夫は妻に三行半を突きつけることになった」のような表現も正しい形です。
「三行半を突きつける」を使った例文や文章
「三行半を突きつける」を使った例文や文章
それでは、上記以外の事例を以下に挙げてみたいと思います。
・『長年付き合いのあった相手に三行半を突きつけることは、そう簡単ではない』
・『呆れて果てて、いよいよ三行半を突きつけることにした』
「三行半を突きつける」の類語や言い替え
「三行半を突きつける」の類語や言い替え
既に説明しましたが、「三行半」は「絶縁」や「絶縁状」という言い方で代用しましょう。
他にも「絶交」や「決別」または「断交」という言い替えもあり得ます。
また「突きつける」については、あくまで「比喩による動作表現」ですので、「叩きつける」や「見せつける」、または「突き出す」や「言い渡す」もしくは「申し渡す」など、「やや乱暴に相手に渡す、伝える」という意味合いの表現で代用できます。
以上のことから、このフレーズの言い替え表現としては「絶縁状を叩きつける」や「絶交を言い渡す」などが候補です。
まとめ
まとめ
「三行半を突きつける」とは、愛想を尽かして相手との関係を断つことを意味するフレーズです。
一般的には、絶縁される相手に相応の原因がある場合に用いられますが、単に「絶縁する」という意味での使用も問題ありません。