大人になると、聞いたこともないような古い表現に出くわすことがたまにあります。
今回の「馳せ参じる」もそのような表現と言え、これより解説してみたいと思います。
「馳せ参じる」とは?
「馳せ参じる」とは?
「馳せ参じる」の読み方ですが、「はせさんじる」です。
元々は「(馬で)速く行く」という意味の「馳せる」と、「行く」や「来る」の謙譲語である「参じる(参ずる)」が合体した表現でしたが、その後は「馳せ参じる」という1つのまとまった謙譲語として捉えるようになっています。
意味はそのまま「馬で速く駆け付ける」や「急いで駆け付ける」を謙譲表現にしたものです。
「馳せ参じる」の使い方や使われ方、使うときの注意点
「馳せ参じる」の使い方や使われ方、使うときの注意点
現代においてこのフレーズが使われる場合、馬は基本的に使わない社会ですから、当然「急いで駆け付ける」という意味のみでの使用です。
特に、仕事や職場における「緊急事態」や「困った出来事の発生」に際し、急いで駆け付けるという意味合いで使用される傾向があります。
いずれにしても、現代においては時代錯誤に聞こえるフレーズであることは間違いなく、使う場面や使う相手の年齢などにはかなり注意して使わないと、奇異な表現と捉えられる恐れがあるでしょう。
「馳せ参じる」を使った例文や文章
「馳せ参じる」を使った例文や文章
それでは、実際に使用される可能性がある例文を挙げてみましょう
・『いかなる時でも、馳せ参じる所存です』
・『いざという時には、いつでも馳せ参じる心構えでおります』
「馳せ参じる」の言い換え表現
「馳せ参じる」の言い換え表現
「急いで駆け付ける」という意味ですので、そのまま「馳せ参じる」の言い換え表現とすることも当然出来ます。
他に類似表現としては、「急いで行く」という意味の「急行する」もあり得るでしょう。
また、動詞ではないため直接的な言い換えにはなりませんが、同じく古い言葉である「いざ鎌倉」というフレーズも類似表現として挙げておきましょう。
「御家人が鎌倉幕府の危機に際し、いつでも鎌倉に駆け付ける心構え」という語源から、「一大事の発生」や「一大事に急いで駆け付けること」という意味があるため、「馳せ参じる」とセットで覚えておくと良いかもしれません。
まとめ
まとめ
「馳せ参じる」とは、現代では「急いで駆け付ける」という意味で使われ、概ね何かの緊急事態の発生に際し、「駆け付ける」という意味合いで使用されます。
かなり古めかしい表現であるため、使用する場面や使用する相手のことを考えた上で用いましょう。