昔のことを思う時の表現のなかには、「往時をしのぶ」というものがあります。
普段は使わない表現であり、その意味も分かりづらいかも知れません。
往時をしのぶとは何なのか、どう使うのかなどを確かめてみましょう。
「往時をしのぶ」とは?
「往時をしのぶ」とは?
すでに過ぎ去った時間に対し、心ひかれたり懐かしむなどで思いを巡らせることを表しています。
「往時をしのぶ」の使い方や使われ方、使うときの注意点
「往時をしのぶ」の使い方や使われ方、使うときの注意点
昔の建物を訪れて当時を考えたり、学生時代の出来事を懐かしく思い出すようなことがあります。
そのように過ぎ去った時間に思い巡らせることを「往時をしのぶ」と表現できるでしょう。
この表現は話し言葉の中ではほとんど使われることがなく、書き言葉の中で使われる事が多くなります。
その際には「学生時代の」のように、その往時がいつの時代であるのか、しっかりと分かることが大切です。
またその場所が何処かの情報も入れることができます。
それらの情報がないと、往時をしのぶ意味が伝わらないので注意が必要です。
平仮名で「しのぶ」と書くことは一般的ですが、漢字にすると「偲ぶ」で、難読になる可能性があることにも留意してください。
「往時をしのぶ」を使った例文や文章
「往時をしのぶ」を使った例文や文章
・『明治の頃の遺構を眺めて、往時をしのぶ機会がありました』
・『もはや学生時代の母校を訪れて、往時をしのぶこともないだろう』
「往時をしのぶ」の類語や言い替え
「往時をしのぶ」の類語や言い替え
「むかしに思い巡らせる」は、かつての出来事について、あれこれ考えるということです。
「過去に思いを馳せる」は、昔のことに自分の気持ちを至らせることを表します。
「過去を偲ぶ」は、かつての出来事に思い巡らせることです。
「在りし日を思う」は、過去に存在した日々について、考えることを意味します。
「懐かしむ」は、過去に心ひかれたり、過去に戻ったような思いに浸ることです。
「懐古する」は、昔のことを懐かしむ意味となります。
「軌跡をたどる」は、車輪が通った跡を意味する「軌跡」を用いて、ある人や物事が通ってきた道のりを考えたり見ることを表します。
まとめ
まとめ
過ぎ去った時間に対し思い巡らせる意味を持つのが、「往時をしのぶ」との表現でした。
この表現は、ほぼ文章の中で使うことになるでしょう。
その往時とは何時の時代か、どこの場所かなどの情報があると、話が伝わりやすいです。
言い換える場合には「在りし日を思う」などの相応しい表現を選んでみてください。