この記事では、「端緒」と「発端」の違いを分かりやすく説明していきます。
「端緒」とは?
「端緒」とは?
物事の始まりという意味です。
それをきっかけとして新たな展開が期待できる場合をいいます。
物事の始まりというのは、これから数学の問題をやりますといった、何かの行動をやり始めるという意味ではありません。
あるところで事件がありました。
警察などが調べたのですが、解決につながるようなことは見つからず、犯人は捕まっていない状態です。
周辺の住民は不安を抱えています。
情報の提供を呼び掛けているのですが、なかなかこれといった情報が集まりません。
そんなとき、ある重要な情報が寄せられました。
この情報によって、犯人の特定や逮捕につながりそうです。
解決という方向に進んでいなかった事件が、これをきっかけに新たな展開をむかえそうです。
この場合は「解決する端緒をつかむ」などといいます。
「端緒」の使い方
「端緒」の使い方
新しい展開になりそうなきっかけという意味で使用をします。
そのきっかけによって物事が始まります。
「発端」とは?
「発端」とは?
「発端」には2つの意味があります。
ひとつは、物事の始まりです。
これからご飯を食べますなど、何かの行動をやり始めるという意味ではありません。
すでに起こった物事のきっけかとなることといった意味合です。
兄と弟は2年間ずっと仲が悪い状態です。
その前は仲がよく、一緒に外で遊んだり、ゲームをしたり、勉強を教えたりなどしていました。
それが、2年前のあることをきっかけに仲が悪くなってしまったのです。
そのきっかけというのは、ゲームの取り合いです。
ゲームの取り合いで大きな喧嘩になり、それからずっと仲が悪い状態が続いています。
以前のように一緒に遊ぶことはありません。
仲が悪い状態のきっけかとなったことがゲームの取り合いで、このことを「ゲームの取り合いが発端となって不仲になる」などと表現することができます。
もう一つの意味は心の底です。
「発端」の使い方
「発端」の使い方
すでに起こった物事のきかっけという意味で使用をします。
これから何かが始まることではなく、すでに起こったことに使用をする言葉です。
心の底という意味では、現在あまり使用されていません。
「端緒」と「発端」の違い
「端緒」と「発端」の違い
物事の始まりを指す点が似ていますが、意味合いがやや異なります。
「端緒」はこれから何か新しい展開を見せるようなきっかけを意味し、「発端」はすでに起こった物事のきかっけを意味します。
「端緒」の例文
「端緒」の例文
・『事件の端緒が見つからない』
・『新しい作品開発の端緒となる』
・『真相解明の端緒となる』
・『端緒となるだろうと示唆される』
「発端」の例文
「発端」の例文
・『事件の発端となる』
・『戦争の発端となった出来事』
・『発端は3年前のことだ』
・『感染拡大を発端とする』
まとめ
まとめ
似たような事柄に使われる2つの言葉ですが、一方は新しい展開をむかえるきっかけ、もう一方はすでに起こった物事のきっかけという意味で、意味合いが異なります。