「当方」とは何を意味しどう言い換えられる言葉なのでしょうか。
今回は、「当方」を解説します。
「当方」の意味
「当方」の意味
「当方」とは、「自分もしくは自分が所属している集団」を指す言葉です。
会社や団体など自分が所属している集団を表す際に用いる一人称で、所属している集団や自分自身を指す意味で使います。
本来の「当方」の意味は「こちらの方」ですが自分たちが所属している勢力の側という意味から転じて個人や組織を表す一人称として使われている表現です。
ビジネスの世界では自分たちが所属する集団を代表して物事をとらえることがあります。
例えば会社員として活動している場合は個人の活動ではなく会社を代表してその仕事を果たしているという扱いになります。
そのような場合は立場に関わらず会社の一員であることそのものが会社の代表として考えられる理由になるため自分と会社とを同一視した一人称が必要です。
そのような状況において自分と自分が所属する会社を指し示す一人称が「当方」であり「私ども」や「我々」などの表現の代わりに使います。
「当方」が表しているのは勢力としての会社全体です。
指し示す範囲も組織としての会社であり、会社を構成する一員として代表者が使った場合は個人であると同時に会社全体を表す意味になります。
「当方」という表現の下での発言は個人的な意見とはとらえられず会社を代表しての発言という扱いになるので迂闊なことは言えません。
「当方」の敬語での使い方や表現方法
「当方」の敬語での使い方や表現方法
「当方」は自分たちの方を下げて相手を尊重する謙譲の敬意表現にあたります。
ビジネス表現としては取引先や顧客など敬意を払うべき相手に対して広く用いられている言葉で相手に対しきちんと敬意を示すための表現です。
自分の言葉が会社や組織など所属している集団を代表しているものである場合に使う表現であり、店先で客に対応するときや会社の代表として交渉する時など背後に組織を背負っている場合に使います。
「当方」の言い替えや使用例
「当方」の言い替えや使用例
・『弊社』【へいしゃ】
「自分が所属している会社のへりくだった言い方」です。
自分が所属する会社のことは「自社」「我が社」などといいますが、敬意を示すべき相手に対して使うへりくだった謙譲表現が「弊社」です。
・『こちら』
「我々の側」という意味で使います。
距離の近い側を指し示す言葉ですがビジネス表現としては異なる立場のうち自分たちの側、つまり「我々」や「私たち」と同じ意味になります。
・『手前ども』
「主に商売人や商店などが使う一人称」です。
自分個人のことを「手前」といい、運が所属する店や会社も含めた言い方だと「手前ども」となります。
まとめ
まとめ
「当方」は広い範囲で使われるビジネス表現です。
敬意表現としてはありふれた言葉なので正しい意味を知っておきましょう。