大人になればなるほど、表現の仕方は直接的なものを避ける傾向が出てきます。
その原因は配慮であることが多いのですが、「遠回し」もそれに起因した言葉と言えるでしょう。
今回はこの「遠回し」について解説いたします。
「遠回し」とは?
「遠回し」とは?
「遠回し」の意味は、「間接的にそれとなく言うこと」です。
「間接的」の意味は、この場合には、意図をぼかしたり、何かに例えたり、あるいは相手に意味や意図を考えさせたりするということです。
直接的な表現で伝えると、相手の感情を害したり相手を傷付けたりすることも多く、それを避ける目的があります。
つまり、「配慮」が「遠回し」の根底にあるということです。
「遠回し」の使い方や使われ方、使うときの注意点
「遠回し」の使い方や使われ方、使うときの注意点
「遠回し」という表現が用いられるのは、「配慮」が理由だと説明しましたが、それには大きく分けて2種類の「配慮」が考えられます。
最初の「配慮」は、相手にとって言われたくないことや、相手にとって都合の悪いことを伝える場合です。
つまり、相手の感情を害することを避けるための配慮です。
「教え子に努力が足りないことを遠回しに注意した」が典型的な使用例と言えます。
次に考えられる「配慮」は、発言者自身の相手への遠慮です。
この場合は、相手に負担をかけてしまうことを申し訳なく思うという意味の配慮と言えるでしょう。
例えば、忙しい相手に仕事を手伝って欲しい場合、「手助けして欲しいと遠回しにお願いした」などと表現します。
「遠回し」を使った例文や文章
「遠回し」を使った例文や文章
上記の他に考えられる例文を挙げてみましょう。
・『遠回しな言い方は彼には伝わらなかった』
・『遠回しな表現が好まれます』
・『遠回しに言うことはあまり得意ではない』
「遠回し」の類語や言い替え
「遠回し」の類語や言い替え
「遠回し」の言い替えとしては、「婉曲」「えんきょく」がまず考えられます。
「やわらかく、ストレートな表現を避ける」という意味ですので、適切な言い替え表現と言えます。
また、「それとなく知らせること」という意味の「ほのめかし」や「匂わせ」でも、言い替えは成立するでしょう。
まとめ
まとめ
「遠回し」とは、直接的な表現ではない形で、相手に自分の言いたいことを伝える様子を意味します。
相手の感情を害したり、負担になることを悪いと思う配慮が、「遠回し」の理由です。