ビジネスシーンにおいて、「募る話」という言葉をよく耳にします。
この言葉の意味、使い方と注意点、言い換えについて、詳しく解説していきます。
「募る話」の意味とは?
「募る話」の意味とは?
「募る話」は「つのるはなし」と読みます。
「募る」には、「広く呼びかけて集める」、あるいは、「徐々に勢いが増す様子」という意味合いがあります。
ですから、「募る話」は、「広く呼びかけて、何かを集めようという相談」とも受け取れますし、「話が進むうちに、感情が高ぶっていく話」とも受け取れます。
この言葉を使う場面や状況によって、言葉の意味合いを使い分けることが必要となります。
「募る話」の使い方と注意点
「募る話」の使い方と注意点
「募る話」ととてもよく似た言葉に、「積もる話」があります。
この言葉には、「話の題材が積み上がるほど多い様子」という意味合いがあります。
「積もる話」には、これ以外の意味はありません。
このことから、「話の題材がとても多く、話しても話し尽くせない」といったニュアンスの言葉として、「積もる話」という表現をすべき場面で、その類似した語感から「誤用」として「募る話」が広まったということが分かります。
一方の、「募る話」の正しい表現を考える時、「募る」という言葉には「話が進むうちに感情が高ぶっていく」という意味合いがあることから、「募る」のは「話」ではなく「思い、心情」であることが分かります。
つまり、「募る思い」という表現が、正しい言い方です。
「募る話」の言い換えや例文
「募る話」の言い換えや例文
ビジネスシーンで「募る話」を言い換えて、正しい表現として使われる例をいくつか見てみましょう。
・『久しぶりの級友との再会で積もる話を交わし合った』
卒業から今までの道のりや苦労話など、話題は尽きることがありません。
話せば話すほど懐かしく、思い出話で盛り上がります。
時間が経つのも忘れて、話し込む仲間たち。
この様子が「積もる話」です。
・『久しぶりの級友との再会で募る思いを語り合った』
あの頃、夢中になって取り組んだ部活動。
同級生ながらライバル心を燃やしていたこと。
ピンチの時にかけてくれた言葉が嬉しかったこと。
苦しくて辞めたくなった時、励ましてくれたこと。
青春時代の熱い思いが募ります。
これが「募る思い」です。
まとめ
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「募る話」は、「積もる話」という言葉の誤用であることが分かりました。
語感が極めて似ていることから、知らずしらずのうちに一般的な使い方として認識された言葉と言えるでしょう。
また、「募る思い」と表現することで、「募る」という言葉を正しく活用出来ることも理解出来ます。
誤用として広まった言葉はいくつかありますが、正しい日本語を使いこなせるように、理解を深めていけると良いでしょう。