「蜂起」と「反乱」はどちらも、反抗的な活動をイメージできる言葉ではないでしょうか。
似たり寄ったりの場面で使う場合が多いものの、実は、この両者は明確に使い分けるべきで、明確な差異があるのです。
この記事では、「蜂起」と「反乱」の違いを分かりやすく説明していきます。
「蜂起」とは?
「蜂起」とは?
「蜂起」の「蜂」はまさしく、昆虫のハチを指しています。
つまり、「蜂起」とはハチの巣をつついたように、沢山の者が一斉に暴動やデモ活動を行ったり、騒ぎ立てる様を現している言葉です。
このため、一人が行動を起こしても「蜂起した」と表現するのは不適当と言えます。
なお、複数の人間が同時期に活動を開始した場合は、「一斉蜂起」と表現するのが相応しいです。
逆に言えば、同時期に動かなくても、最終的に複数名に達すれば「蜂起」と形容できるでしょう。
「反乱」とは?
「反乱」とは?
王や政府と言った支配者に対して、その意向に背く行為や支配を排斥しようとする行為を「反乱」と呼びます。
現状の統率制度に不満を持った個人ないし集団が、何らかの形で、これまでの体制を変化させようとする場合に使う言葉です。
リーダーなどを排斥する場合もあれば、ストライキなどによって体制の変更を望む場合もあり、態様は様々です。
「蜂起」と「反乱」の違い
「蜂起」と「反乱」の違い
「蜂起」と「反乱」の違いを、分かりやすく解説します。
まず、大きな違いは、行動を起こすものの数です。
「蜂起」は群衆が決起する様をあらわしていますので、単独の場合は使えません。
しかし、「反乱」の場合は異なります。
たった一人でも支配者に立ち向かえば、「反乱」と呼ぶことができるのです。
つまり、「反乱」の方は参加者の数に関わらず、単独でも複数でも起こすことができます。
また、活動を行う上での、目的についても違いがあるので注意しましょう。
「蜂起」の方は、特に定まった目的はありません。
なんにせよ、集団が行動を起こせば「蜂起」です。
このため、「反乱」はもちろん、デモ活動も含みます。
加えて、以前は非軍人である一般市民が、敵国に対して攻撃を行う「群民蜂起」も見られました。
これに対して「反乱」は明確な目的を持っています。
具体的には、被支配からの脱却や、統率制度の変更などを求めるわけです
さらに、立場上、下側に立つ人間が、上の人間に対して行うのが「反乱」です。
「蜂起」の方は敵対国への「群民蜂起」など、支配関係がなくても成立するのが大きな違いです。
まとめ
まとめ
「蜂起」と「反乱」の違いについて解説してきました。
より正確な日本語表現を目指す時に、参考になれば幸いです。
「蜂起」は「反乱」が行った時に使われるケースが多いのですが、実際には、使えるシチュエーションは特に限定されていません。
対して「反乱」の方は、一定の目的を伴った行為です。
このため、「反乱」と呼べるシチュエーションは限られています。
支配者が被支配者に暴動を起こしても「反乱」とは呼べないのです。