特定の業種で使用される、いわゆる「業界用語」というものは各種業界に存在しています。
今回の「校了となります」もその1つであり、これより解説いたします。
「校了となります」とは?
「校了となります」とは?
このフレーズにおける最大の問題は「校了」の意味でしょう。
ちなみに「校了」は「こうりょう」と読みます。
さて、話を戻すと、「校了」とは「校正作業が完全に終了し、(最終)印刷が可能になること」を意味します。
まさに、印刷業界や出版業界で使われる専門用語(表現)です。
しかし、今度は「校正」「こうせい」の意味がわからないという方も多いはずですから、こちらの意味も説明しましょう。
「校正」とは、最終印刷直前の仮状態の印刷物、つまり「試し刷り」(いわゆるゲラ刷り)と原稿を見比べ、誤字脱字やデザインミスがないかチェックを行うことです。
最後の「となります」は、「〜の状態となる」という丁寧な表現ですので、「校了となります」は、「校正作業が終了し、印刷可能な状態です」という意味になります。
「校了となります」の使い方や使われ方、使うときの注意点
「校了となります」の使い方や使われ方、使うときの注意点
印刷業界や出版業界で、最終の校正作業が終了し、あとは印刷するだけの状態になった時(あるいは特定の条件を満たせば印刷できる状態)の報告として使用されます。
使用例としては、「無事校了となります」や「デザインのチェックが終われば校了となります」などが考えられます。
尚、「校正」と「校閲」「こうえつ」は似たような言葉ですが、違いがあるので、そちらについても一応説明しておきましょう。
「校閲」とは、「最初の原稿段階での、誤字脱字や文章そのものの事実関係や表現方法の正誤、内容の矛盾など、文章全体のあらゆる問題をチェックする作業」のことです。
よって本来「校正」は、「校閲」が済んだ後の「最終原稿」を前提に行われることになります。
ただし、校閲と校正の両方の作業を合わせて「校正」とすることもあり、文脈で判断する必要があるので注意が必要です。
「校了となります」を使った例文や文章
「校了となります」を使った例文や文章
それでは上記以外に考えられる使用例を挙げてみましょう。
・『何もなければこのまま校了となりますので、問題があればご指摘ください』
・『予定では締め切り時間で校了となりますが、状況はいかがでしょうか』
「校了となります」の類語や言い換え
「校了となります」の類語や言い換え
特殊な用語ですので、類語はなく、シンプルに「校正作業が完了します」や「印刷前の最終チェックが完了します」と言った表現で言い換えましょう。
他にも「ゲラ刷りチェックが終了します」と言った形での代用も考えられます。
まとめ
まとめ
「校了となります」とは、印刷前の試し刷りと最終原稿を比較して問題がない場合に、そのまま印刷可能な状態になったことを報告するためのフレーズです。