この記事では、「十分」と「充分」の違いを分かりやすく説明していきます。
「十分」とは?
「十分」とは?
「十分」に使われている漢字「十」は、漢数字です。
「十」という数字は、不足することなく満たされた状態を意味するものとなります。
また、「十」といった数字で表すことができることから、「十分」の場合、満たされていることに中でも、曖昧なものではなく、数値化することができるものが「十分」となります。
言い換えれば、数値化することができず、数として満たされていることが証明されない場合、「十分」を用いることはできません。
また、「十二分」という言葉もあります。
この場合の意味は「十分」以上ということとなり、120%といった意味となります。
「十分」の使い方
「十分」の使い方
「十分な人数」、「十分な売り上げ」、「十分な成績」など数値化し満たしていることを意味する使い方が主な「十分」の使い方となります。
「充分」とは?
「充分」とは?
みちる、みたす、といった意味の「充」を用いた「充分」。
満たされていることを意味する言葉ですが、その満たされているものは、数値化することはできません。
精神的に満たされていることを意味しています。
そのため、「充分」は、心を満たす際に用いられる事が多い言葉となります。
「充分」の使い方
「充分」の使い方
精神的に満たされることを意味する「充分」の場合、「充分に満足する」、「充分な幸せ」などといった使い方が基本となります。
「十分」と「充分」の違い
「十分」と「充分」の違い
意味は同じですが、何を対象にしているかといった違いがあります。
「十分」の場合は数値化することができるものとなり、金額や人数などが対象になる一方、「充分」の場合は数値化することができない精神的なものを対象とし用いるものとなります。
この違いが「十分」と「充分」の主な違いです。
「十分」の例文
「十分」の例文
・『父から十分なほどの援助をもらい、結婚式の準備を行うことができました。』
・『今月は、十分な売り上げを達成することができ大満足です。』
・『今回のボランティアの数としては、十分な人数です。ご協力ありがとうございます。』
・『95点という、僕にとっては十分なほどの点数を苦手な数学で取ることができ嬉しいです。』
「充分」の例文
「充分」の例文
・『私は、今の暮らしに充分満足しています。』
・『今回の旅行は、あなたのお陰で充分楽しむことができました。』
・『充分すぎるほどのおもてなしを頂き、本日はありがとうございました。』
・『今言われた、あなたの言葉で私は充分傷つきました。』
まとめ
まとめ
辞書でも同じ意味として掲載されており、同じ意味となるため、特に気にする必要はありませんが、より的確に使い分けるためには上記のようなことに注意し、数値化することができるか、できないか、を踏まえ使い分けることをおすすめします。
そうすることで、より的確に相手に伝えることができ、どのように満足しているのか、満たされているのかを的確に相手に伝えることが可能となります。