この記事では、「傾聴」と「拝聴」と「視聴」の違いを分かりやすく説明していきます。
「聴く」にまつわる表現を、学んでいきましょう。
「傾聴」とは?
「傾聴」とは?
傾聴(けいちょう)とは、相手の心に寄り添って話を聞くこと。
どんな思いで話しているのか、その背景を想像しながら、心の声を聞くことです。
おもに心理カウンセリングの場で用いられている方法となります。
傾聴をおこなう際には、ただひたすら相手の思いを受け止めます。
「こうした方がいい」や「止めた方がいい」など、アドバイスや否定的な意見は、自分の胸のポケットに収めておきます。
話し手の気持ちを想像しながら、その人が安心して話をしてくれるように導いていくこと。
心を開いてもらう聞き方が「傾聴」です。
「拝聴」とは?
「拝聴」とは?
拝聴(はいちょう)とは、へり下って相手の話を聞くこと。
「聞く」の謙譲語が「拝聴」となります。
話し手を持ち上げて、聞き手を下げる表現方法です。
そのため自分より目上の人、偉い人の話を聞くシーンで使っていきます。
もともと「拝聴」という熟語の「拝」には「おじぎをする」という訳があります。
こちらの頭を下げて、うやまう態度で聞くことが拝聴になります。
取引先や上司、尊敬している教授などに使える表現です。
話し手を高めたい場合に用いていきましょう。
「視聴」とは
「視聴」とは
視聴(しちょう)とは、見て聞くことをあらわします。
おもにテレビのドラマやバラエティ番組を見るときに使われます。
流れてくる動画を、じっくり見ること。
選んで見ている動作が視聴です。
視聴に関連する言葉に「視聴率」があります。
視聴率とは、その放送の人気度をあらわすバロメーターです。
視聴率が高ければ、それだけ多くの人の関心を集めているサインになります。
集中して何かを見ること、流れてくる言葉に耳を傾ける様子が視聴です。
「傾聴」と「拝聴」と「視聴」の違い
「傾聴」と「拝聴」と「視聴」の違い
・ビジネスは拝聴
いずれも「聴く」にまつわる表現です。
傾聴はカウンセリングの手法で使います。
ストレスを抱えている人が、悩みや思いを吐きだしやすいように、聞き手がうまくリードしてあげる聞き方です。
そして拝聴は謙譲語なので、話し手に敬意を示したい場合に使います。
おもにビジネスシーンで利用します。
さらに視聴は、テレビや動画を見る行為そのものを指しています。
また見る人、聞く人は「視聴者」と表現されます。
視聴者は1人ではなく、数万人単位など非常に大きな数をあらわします。
個人のやり取りで使われるのは傾聴や拝聴。
不特定多数の人に使われるのは視聴です。
まとめ
まとめ
「傾聴」と「拝聴」と「視聴」の違いを分かりやすくお伝えしました。
いずれも「聴く」にゆかりのある言葉です。
傾聴は相手の立場を思いやって、心を寄せる行為をあらわします。
拝聴は尊敬している人の話を、聞く行為となります。
さらに視聴は不特定多数の人が、テレビを見ていることです。
微妙な語句の差をつかんで、正しく用いていきましょう。