この記事では、「染みる」と「滲みる」と「沁みる」の違いを分かりやすく説明していきます。
「染みる」とは?
「染みる」とは?
「染みる(しみる)」とは、「何らかの液体が浸透したり付着したりして色がつくこと」を意味しています。
「染みる」の「染」の漢字は「染色・染髪」などで使われるように、「色がつく」という意味合いを強く持っています。
その漢字の語意からも、「染みる」という動詞は「衣服・モノなどに液体がついたり浸透したりして色がつくさま」を示していることになります。
「染みる」の例文
「染みる」の例文
・『墨汁が白いワイシャツに染みてしまったので、洗濯をしてもこの黒色は簡単には落ちないでしょう』
・『赤いTシャツと白いTシャツを一緒に洗濯機に入れて洗ってしまったので、白色のシャツに赤色が染みることになりました』
「滲みる」とは?
「滲みる」とは?
「滲みる(しみる)」とは、「何らかの液体が漸進的に深い部分にまでしみ込むこと」を意味している言葉です。
「滲みる」は単純に「水も含めた液体状のものがしみ込むさま」を指し示しているのです。
ただし「滲みる」は常用漢字表に記載のない漢字と読み方であり、現代の印刷された文書でもほとんど使用されることはありません。
また「滲みる」とまったく同じ意味合いを持つ言葉の漢字表記として、「浸みる」のほうが使われる頻度が多くなっています。
「滲みる」の例文
「滲みる」の例文
・『急に土砂降りの雨に打たれて、雨水が靴の中にまで滲みてきました』
・『ハーフマラソンを走った後の化繊の運動シャツには、シャワーでも浴びたかのように大量の汗が滲みていました』
「沁みる」とは?
「沁みる」とは?
「沁みる(しみる)」とは、「しみじみとした情趣(趣き)や味わいを感じること」を意味している動詞です。
「沁みる」という言葉は、「何かの出来事ややり取りに心を打たれて、心情的に感動したり感銘を受けたりした場合」に使われます。
また「沁みる」の漢字表記には、「目に液体がしみて痛みを感じる」といった痛覚の意味合いもあります。
「沁みる」の例文
「沁みる」の例文
・『「おくりびと」や「悼む人」のような人の死に関連するシリアスなストーリーの映画を見ると、人間の持つ生き死にの意味が心に沁みます』
・『久しぶりに家族で海水浴に出かけましたが、潜ると目に海水が沁みてきて、まともに泳ぐことができませんでした』
「染みる」と「滲みる」と「沁みる」の違い
「染みる」と「滲みる」と「沁みる」の違い
「染みる」は、「液状のものが衣服などにしみたり付着したりして色がつくこと」を意味しています。
「滲みる」の動詞には「染みる」のような「衣服に色がつく」の意味合いがなく、「液状のものが衣服などにシンプルにしみ込むこと」だけを意味している違いがあります。
そのため、「水がしみる」は「染みる」ではなく「滲みる」のほうが適切な漢字になります。
ただし、現代では「滲みる」の漢字はほとんど使われていません。
「沁みる」は「心にしみじみとした趣きを感じて感動する」や「目に液体が入って痛みを感じる」の意味を持っていますが、これらの意味が「染みる・滲みる」にはない点も異なっています。
まとめ
まとめ
この記事では、「染みる」と「滲みる」と「沁みる」の意味の違いを分かりやすく説明しました。
「染みる」と「滲みる」と「沁みる」の意味や使い方、例文の違いなどについて詳しくリサーチしたい人は、この記事の内容をチェックしてみてください。