ビジネスメールなどで「貴社におかれましては」という文を見ることがあります。
正しい言い回しなのでしょうか?詳しく見てみましょう。
「貴社におかれましては」とは?
「貴社におかれましては」とは?
「貴社」は、メールや文書の中で相手の会社のことを「貴社」とします。
似た言葉に「御社」がありますが、「貴社」は文中で使われ、「御社」は会話中に使われます。
「に」は助詞、「おかれましては」は、相手について述べるときに使います。
「○○に関しては」と同じ意味合いで使われ、「○○においては」をより丁寧な表現にしたものです。
したがって「貴社におかれましては」はシンプルに「貴社は」という意味ですが、ビジネス文書で使われる場合、より堅い表現が好まれるため、このような言い回しが使われます。
「貴社におかれましては」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
「貴社におかれましては」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
では、「貴社におかれましては」はどのように使うのが正しいのでしょうか。
ビジネス文書において、前文(主文に入る前の部分)の基本型は、「頭語+時候の挨拶+謝意、安否の確認、相手の繁栄を喜ぶ文」という3つの部分から構成されています。
「貴社におかれましては」は、時候の挨拶に続けて使われるフレーズとなります。
例えば、「立秋の候、貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます」のような文を見たことがあるのではないでしょうか。
目上の人や取引先など、社外の人に送る文書でよく見られる挨拶の定型文の一つです。
かなりかしこまった表現のため、やり取りをする機会が文書より多いメールではほとんど使われません。
「貴社におかれましては」のように「○○におかれましては」の○○には、人(個人名)や団体名が入ります。
注意点は、似た言葉に「おきましては」「おかれては」がありますが、どちらも尊敬語ではないので目上の人には使わない方がおすすめです。
「貴社におかれましては」を使用した例文
「貴社におかれましては」を使用した例文
『貴社におかれましてはますます繁栄のことと、お喜び申し上げます』
『貴社におかれましてはいよいよご隆盛の由、大慶の至りと存じます』
など、ビジネス文書では時候の挨拶の後に「会社がますます発展していることでしょう、わたくしも嬉しいです、おめでたいことです」というような意味を込めて使うのが一般的です。
「貴社におかれましては」の類語や言い替え
「貴社におかれましては」の類語や言い替え
先にも述べましたが、「おかれましては」は最も尊敬の度合いが高い言い回しです。
意味は似ているとはいえ「おきましては」「おかれては」は1ランク下の言い方になり、フォーマルな文書のやりとりをする場合は「おかれましては」を使うのが無難です。
特に言い替える必要はありません。
まとめ
まとめ
「貴社におかれましては」は、ビジネス文書の前文の中で「時候の挨拶+貴社におかれましては+相手の繁栄を喜ぶ文」という定型文で使いましょう。
メールで使うには改まった表現なので、基本的には文書の中で使います。