この記事では、「指導」と「助言」と「勧告」の違いを分かりやすく説明していきます。
「指導」とは?
「指導」とは?
「指導」【しどう】とは、ある目的に向けて知識や技術を教え導くことです。
また、柔道の試合において軽微な反則を「指導」といいます。
使われている漢字の意味を見てみると、「指」はさし示すこと、「導」は教えて導くことを表しており、これらを組み合わせた「指導」は、導く立場の者が知識や技術を教える行為を指していることがうかがえます。
「指導」は、「指導者」にあたる立場の者が「被指導者」に知識や技術を身に付けさせるため、教えて導く行為です。
教育現場で教師が生徒に、職場で上司が部下に、行政機関が企業や国民に、といったように指導者が勉強や業務に関して知識や技術を教えることを指します。
「指導」の例文
「指導」の例文
・『演技について指導を受ける』
・『先輩が後輩にラケットの振り方を指導する』
「助言」とは?
「助言」とは?
「助言」【じょげん】とは、相手を助けるために有益な意見を差し出すことです。
漢字の「助」は力を貸すこと、「言」は声をかける、意見を述べることを表しており、これらを組み合わせた「助言」は言葉をかけて相手を助けることを表しています。
「助言」は、ある目的を達成しようとしている相手に対し、その目的が達成できるような有益なヒントを教え助けることです。
あくまでも、相手が自力で目的を達成できるよう直接手伝うのではなく意見や言葉をかけることを指します。
「助言」の例文
「助言」の例文
・『悩んでいる友人に助言する』
・『どうすればお店の売り上げが伸びるのか、コンサルタントに助言を求める』
「勧告」とは
「勧告」とは
「勧告」とは、取ったほうが良い手段を公的な形ですすめて促すことです。
漢字の「勧」はすすめること、「告」は知らせることを表しており、これらを組み合わせた「勧告」は相手を説いて物事を勧めることを表しています。
「勧告」は、主に行政において用いられている用語です。
行政をおこなう上で定めた目的を達成したいとき、当事者にある行動を取るように勧めて促すことを指します。
これはあくまでも行政機関として相手に協力を求めるもので、法的な力で相手を拘束するものではありません。
「勧告」の例文
「勧告」の例文
・『必要な措置を取るよう勧告する』
・『洪水になるおそれがある地域に避難勧告を出す』
「指導」と「助言」と「勧告」の違い
「指導」と「助言」と「勧告」の違い
「指導」「助言」「勧告」は、ある目的を達成するため相手に有益な情報を教えて導く行為を指しています。
これらは、行政機関が定めた目的を果たすため「行政指導」として国民に対してとる手段でもあります。
「指導」は知識や技術を教えて導くこと、「助言」は目的を達成するためのヒントを教えて相手を助けること、「勧告」は取ったほうが良い手段を勧めて促すことです。
いずれも相手に「こうしたほうが良い」と教えて目的へ誘導する意図があり、「助言」「指導」「勧告」の順にその意図が強くなっています。
「助言」よりは「指導」、「指導」よりは「勧告」のほうが、重要度、緊急度は高くなりますが、いずれも相手を従わせるまでの権限はありません。
まとめ
まとめ
「指導」「助言」「勧告」は日常生活やビジネスシーンでもしばしば目にしますが、行政用語として意味を持っている言葉でもあります。
それぞれの言葉の意味と違いを把握しておけば、公的な文書にこれらの用語が出てきたときに理解しやすいでしょう。