この記事では、「着眼点」と「着目点」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「着眼点」と「着目点」の違い
「着眼点」と「着目点」の違い
「着眼点(ちゃくがんてん)」は「注意・意識・関心を向ける対象」や「狙いとしていること・目のつけどころ」を意味していますが、「着目点(ちゃくもくてん)」も「注意を向ける先にあるもの・(物事を評価・調査する場合の)目のつけどころ」というほぼ同じような意味を持っています。
ただし、「着眼点」は国語辞典に独立した項目がある正しい言葉ですが、「着目点」という言葉は国語辞典にその項目がなく「正式な日本語としては存在しない違い(『着目』の項目はある)」があります。
「着目点」は「着眼点」と混同されて人々に慣習的に使われ続けているため(意味も通じるため)、完全な間違いとまで言えるかどうかは議論があります。
「着眼点」と「着目点」の使い方の違い
「着眼点」と「着目点」の使い方の違い
「着眼点」は「その優れた着眼点を仕事に応用してください」のように、「その人が注意・関心を向けている部分」や「狙い・目のつけどころ」の意味合いで使われます。
「着目点」は「正しい日本語」としては項目が存在しない言葉ですが、「問題解決につながる着目点を持っています」のように、「特に注意して見ているポイント」を意味して使用することはできます。
ただし、「着目点」は正しい日本語としては「着目・着目する」の形で使うほうが適切で、「着目すべきは建物のデザインです・彼の服装に着目していました」などの使い方をすることができます。
「着眼点」と「着目点」の英語表記の違い
「着眼点」と「着目点」の英語表記の違い
「着眼点」を、英語を用いて表現すると以下のようになります。
“viewpoints”(注意・視点を向けているポイント・目のつけどころ・着眼点)
“the point aimed at”(注意を向けて狙っているポイント・着眼点)
「着目点」「着目・着目する」を、英語で表記すると以下のようになります。
“points of interest”“points of focus”(興味を向けて焦点を合わせているポイント・関心を持って見ているポイント・着目点)
“attention”“notice”(注意を向けること・着目)
“focus on~”(~に焦点を合わせる・~に着目する)
「着眼点」の意味
「着眼点」の意味
「着眼点(ちゃくがんてん)」の言葉は、「注意・関心を向けているポイント」や「狙いとしているところ・目のつけどころ」を意味しています。
「着眼点」には、「有効なアイデア(発想)を思い浮かべたり分析するための目のつけどころ」といったニュアンスも備わっています。
「着眼点」の使い方
「着眼点」の使い方
「着眼点」は「彼女の着眼点はどこかずれているのです」の文章のように、「注意・関心・意識を向けている対象」を意味して使われます。
「問題解決につながる独自の着眼点が良い」のように、「分析・アイデアと関連する目のつけどころ」や「狙いとしていること」の意味合いで使う使い方もあります。
また「着眼点」の表現は、「着眼点が良い・着眼点が悪い・着眼点が鋭い・着眼点を持つ・着眼点を変える」などの用法・用例で使うことができます。
「着眼点」を使った例文
「着眼点」を使った例文
・『その研究者は優れた着眼点によって、学会で話題になる論文を書き上げてきました。』
・『管理者がどのような着眼点を持っているのかによって、職場の改善内容は変わってきます。』
・『ただ着眼点が良いというだけでは、具体的な結果を出せません。』
・『辛口で有名なそのコメンテイターは、着眼点の鋭さによって知られていました。』
・『着眼点が悪いと、せっかく考えた新規ビジネスも軌道に乗りにくいのです。』
「着眼点」の類語
「着眼点」の類語
「着眼点」の類語には、以下の言葉があります。
「焦点(ピント)」……人々の興味関心・注意が集まっているポイント。
元々の意味は、レンズ・反射鏡において反射したり屈折したりした光線が集まる点。
「狙い」「目のつけどころ」……目的達成のために目指しているところ。
アイデア・分析・問題解決などのために、注意や関心を向けているポイント。
「着眼点」の対義語
「着眼点」の対義語
「着眼点」には、国語辞典などに掲載されている正式な対義語はありません。
「着目点」の意味
「着目点」の意味
「着目点(ちゃくもくてん)」とは、「(物事を評価・分析するにあたって)特に注意して見るべきポイント」や「(物事を正確に理解するための)目のつけどころ」を意味しています。
ただし、国語辞典には「着目」という項目はあっても「着目点」という言葉の独立した項目はないため、「着目点」は「正しい日本語としては存在しない・着目+点の造語」としても解釈されます。
「着目点」の使い方
「着目点」の使い方
「着目点」の使い方は「着目点が良いので、問題を簡単に解くことができました」のように、「特に注意(集中)して見るべきポイント」や「(対象を分析する時の)目のつけどころ」を意味して使う使い方になります。
ただし、「着目点」は辞書的に正しい日本語ではないため、正しい日本語として使うのであれば「着目・着目する」という形で使用することになります。
例えば、「モデルチェンジした車のスペックに着目しました」のような文章で使用することが可能です。
「着目点」「着目」を使った例文
「着目点」「着目」を使った例文
・『着目点が優れている科学論文を読んでいると、有益な気づきを得ることができます。』
・『今までのやり方で上手くいかないのであれば、着目点を変えてみてください。』
・『政府が障害者・高齢者の社会福祉制度をどう変えていくのかに着目しています。』
・『社会問題への関心が弱いので、どんな内容のニュースに着目すべきが分からないのです。』
・『新型コロナウイルスのワクチンをいつ頃接種できるようになるのかに、国民が着目しています。』
「着目点」の類語
「着目点」の類語
「着目点」の類語には、以下の言葉があります。
「視点・観点」……物事(対象)見るときの目線。
物事(対象)を観察するときの立場・スタンス。
「注目点」……意識的に強い注意をそそいでいるポイント。
「着目する」の類語としては、以下の言葉が挙げられます。
「注目する」……興味のある物事(対象)を、注意してじっと見ること。
「好奇心を抱く・心惹かれる」……もっとその物事について知りたいというような気持ちを持つこと。
ある物事に魅力や興味を覚えて心理的に引き寄せられるさま。
「スポットライトを当てる」……ある物事(対象)に強い興味関心を覚えて、意識的に注意して見ること。
「着目点」の対義語
「着目点」の対義語
「着目点」は正式な日本語ではないため、国語辞典などに掲載されている正式な対義語もありません。
「着目する」の対義語としては、以下の言葉が挙げられます。
「視線を向けない」……ある物事(対象)に対して、目線・注意を向けないこと。
「興味がない」……ある物事(対象)を見たいと思うような心の動き・心理的な刺激がないこと。
まとめ
まとめ
「着眼点」と「着目点」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「着眼点」と「着目点」の意味・使い方・英語の違いや類語・対義語を詳しく調べたい時は、この記事をチェックしてみてください。