ニュースに関する話題で登場する言葉「無敵の人」とはどんな人をあらわす言葉なのでしょうか。
今回は、「無敵の人」の意味とよく似た意味を持つ類語について解説します。
「無敵の人」とは?意味
「無敵の人」とは?意味
「無敵の人」とは、「社会的に失うものが何もなくどのような処罰も処遇も抑止効果が期待できない人」を意味する言葉です。
「無敵の人」の概要
「無敵の人」の概要
一般の人がマナーや道徳を守り日常生活を過ごしているのは生まれついた善性もありますが「社会的な抑止効果」が強く影響しています。
社会的な抑止効果とは「それをやってしまうと社会的に破滅してしまうと思わせることで行動をためらわせる作用」を指します。
人が犯罪を犯さないのは道徳心や教育の効果もありますがもっと強く影響しているのは「罪を犯すと警察に捕まってしまうから」です。
警察に捕まれば仕事も家族も失ってしまう可能性が高く、実名報道により社会的な名声や信用も大きく損なわれてしまいます。
そのような事になればこれまでまじめに積み重ねてきた人生の大切なモノが全て失われてしまい取り返しがつきません。
犯罪で捕まれば大切なモノを失い社会でやっていけなくなる、という仕組みがあるからこそ人が潜在的に抱えている欲求や欲望が抑えられ安定した社会が成立しています。
このような社会的な抑止効果が成立するには「人はそれぞれ社会的信用の失墜により失ってしまう大切なものがある」という大前提が必要です。
多くの人は仕事や家族、名誉や人気など失いたくないものを持っていますが中にはそのような大切なモノを一切持たない人も存在します。
「大切なものが何もなく逮捕されたとしても社会的ダメージが皆無である人」を指して「無敵の人」と呼びます。
「無敵の人」は警察に捕まっても社会的に失うものがないので痛くもかゆくもありません。
失うものがないだけならいいのですが捕まった他としても社会的なダメージがないからという理由で犯罪に対するちゅうちょや葛藤をなくしてしまうことがあるのは大きな問題です。
「逮捕されても構わない」「どうなろうと人生は変わらない」という後ろ向きな覚悟は凶悪犯罪に対する自制心を失わせるのに十分です。
景気が悪化し生活が苦しくなる人が増えると「無敵の人」も増えてしまい、追い詰められやけになって重大犯罪を起こす人が増えてしまいます。
「無敵の人」の言葉の使い方や使われ方
「無敵の人」の言葉の使い方や使われ方
・『無敵の人を追い詰めるのは危険だ』
・『彼は無敵の人なのでダレが何を入ってもまったく耳をかさない』
・『無敵の人による犯罪を未然に防ぐには景気を良くしてだれでも安定した人生を送れる社会が必要だ』
・『無敵の人による凶悪犯罪が社会問題になっている』
「無敵の人」の類語や言いかえ
「無敵の人」の類語や言いかえ
・捨て身
「犠牲を覚悟して事にあたること」を意味する言葉です。
自分はどうなっても構わないと考えている「無敵の人」もこれに当たります。
・ジョーカー
「社会的な不遇が原因で凶悪犯罪を起こす人」を意味する言葉です。
映画「ジョーカー」の主人公の境遇になぞらえた表現で周囲から冷たくされ社会に絶望し犯罪に至る人を指します。
まとめ
まとめ
不景気が長期化している日本では潜在的な「無敵の人」が数多く存在するとされています。
すべてが犯罪者になるわけではないので境遇だけを見て差別するのは間違いです。
自己責任の一言で冷たく切り捨てるのではなく社会の犠牲者という観点で救いの手を差し伸べる施策が望まれています。