「絞る」と「搾る」の違いとは?分かりやすく解釈

「しぼる」を漢字に変換するとき、「絞る」「搾る」かで迷った経験はないでしょうか?

読みも意味も同じように感じる2つの言葉ですが、違いや使い分けはあるのでしょうか?

この記事では、「絞る」「搾る」の違いを分かりやすく説明していきます。

「絞る」とは?

「絞る」とは?

「絞る」には、以下の意味があります。

「濡れた布などを強くねじって、水分を出すこと」
「そのままでは出てこないものを、努力などで無理に出そうとすること」
「広がっているものを縮めたり、小さくすること」「範囲を狭めること」「範囲を限定すること」

ほか、
「カメラのレンズを絞る」=「絞りと呼ばれるカメラのパーツで取り込む光の量を調節すること」
「ボリュームを絞る」=「(スピーカーなどの)音量を小さくすること」
「差し手を絞る」=「相撲において、相手の腕を自分の腋へ挟み込んで、相手の体の重心を浮かせるようにして締め付けること」
「弓を引き絞る」=「弓の弦(つる)を十分に引くこと」
などの言い回しも存在します。

また、「油を絞る」という慣用句は「厳しく責め立てたり、鍛えること」を意味し、そこから転じて、「こっぴどく叱られたり、鍛えられること」「絞られる」と表現することもあります。

「絞る」の使い方

「絞る」の使い方

・『濡れた台拭きを絞って、乾かした』
・『みんなで知恵を絞り出して、問題解決に取り組んだ』
・『ターゲットとなる顧客層を絞り込んで、経営戦略を練る』

「搾る」とは?

「搾る」とは?

「搾る」は、
「強く握ったり、押して締め付けたりして、水分や液を採取すること」
「無理に出させること」「むごく取り立てること」
を意味する言葉です。

「搾る」の使い方

「搾る」の使い方

・『取り立ての果物から果汁を搾り出して、手作りのフルーツジュースを作った』
・『あの牧場では、無料で牛から牛乳を搾る体験ができる』
・『評論家が、政府は国民から税金を搾り取ることしか考えていないと批判していた』

「絞る」と「搾る」の違い

「絞る」と「搾る」の違い

「絞る」「搾る」も、主たる意味は「含まれている水分や液を取り出すこと」を表していますが、「取り出し方」に2語の違いがあります。

「絞」という漢字は「絞(し)める」とも書き、交差させた糸を両端から引き絞る意味から成り立った漢字です。

そこから転じて、「絞る」「強くねじって、含まれている水分を取り出す」という意味を表すようになりました。

対して、「搾」という漢字の成り立ちを遡ると、もともと部首は「てへん」ではなく、「きへん」であり、「押し狭めることによって、酒や油などを搾り出す木製の器具」を表していました。

それがやがて、「手で(握り潰すなどして)取り出す」という意味に転じ、それに伴って部首も「木」から「手」を表す「てへん」へと変化したようです。

まとめ

まとめ

「絞る」とは、主に「濡れた布などを強くねじって、水分を出すこと」「そのままでは出てこないものを、努力などで無理に出そうとすること」「広がっているものを縮めたり、小さくすること」「範囲を狭めること」などを意味する言葉です。

「搾る」とは、「強く握ったり、押して締め付けたりして、水分や液を採取すること」「無理に出させること」を意味する言葉です。

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