「伝統」と「歴史」と「文化」の違いとは?分かりやすく解釈

ニュアンスの似ている言葉の中に「伝統」「歴史」「文化」というものがあります。

言葉の響きは全く違いますが、3つともに同じようなことをイメージしてしまう人もいるのではないでしょうか。

この記事では、「伝統」「歴史」「文化」の違いを分かりやすく説明していきます。

「伝統」【でんとう】とは?

「伝統」【でんとう】とは?

「伝統」とは、ある民族や集団において、思想・習慣・技術といったものが世代を越えて「受け継がれていくこと」を意味した言葉です。

深い思想が込められたお祭りや演劇、卓越した技術により作られる建築物や道具、現代では再現するのさえ難しいような習慣などといったものが、長い期間を経ても変わることなく受け継がれてきたことそしてこれからも受け継がれていくべきことを指した言葉です。

「伝統」の例文

「伝統」の例文

・『新しいことを取り入れるのも重要だが、伝統を守ることも重要だ』
・『その民族の狩りの方法は、伝統として世代を越えて受け継がれてきた』

「歴史」【れきし】とは?

「歴史」【れきし】とは?

「歴史」とは、ある民族や集団または人間社会全体において、誕生から現在に至るまでにどのような変遷をたどってきたか、どのような出来事があったのかなどの全ての記録のことを指します。

「歴史」の中には、進化してきたこともあれば逆に衰退してしまったこともあり、また「伝統」のように変わることなく受け継がれてきたことも含まれます。

その「全てを網羅した記録」というものが「歴史」です。

「歴史」の例文

「歴史」の例文

・『人類の歴史をひもといていく中で、これから先も人類が生き残っていく術を見つける』
・『少数民族の歴史について詳しい民俗学者に話を訊く』
・『歴史に名が残るかどうかは、今の時代の人たちが判断するものではない』

「文化」【ぶんか】とは?

「文化」【ぶんか】とは?

「文化」とは、ある民族や集団または人間社会全体において、人間の手で作り上げて発展し今もなお生きている活動の総称のような言葉です。

国の言語や生活様式その場所特有の建築物など、形のあるなしに関わらず、その民族や集団や社会が築き上げて発展してきたことの全てを指します。

「文化」の例文

「文化」の例文

・『歴史と伝統を大切にする文化がこの国には息づいている』
・『双方の文化を融合することで、新しい文化を生む』

「伝統」と「歴史」と「文化」の違い

「伝統」と「歴史」と「文化」の違い

「伝統」とは、ある社会において「変わることなく受け継がれてきたこと」を指します。

そして「伝統」は、「過去から現在に至るまで」在るものです。

「歴史」とは、ある社会において「今に至るまでの全ての記録のこと」を指します。

そして「歴史」は、「過去」に在るものです。

「文化」とは、ある社会において「自らの手で作り上げ発展してきた活動の総称」を指します。

そして「文化」は、「現在から未来」に在るものです。

まとめ

まとめ

「伝統」「歴史」「文化」について例文をまじえ紹介してきましたが、違いがわかりましたでしょうか。

あらゆる社会において、歴史や伝統と新しいものを融合することで、また新しい文化が生まれることは往々にしてあることです。

この記事をきっかけに、古き良きもの新しき良きものについて考えてみるのも面白いかもしれません。

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