今から見て近い時点をあらわす言葉として「直近」と「最近」と「間近」があります。
この言葉はどのような意味の違いがあるのでしょうか。
今回は、「直近」と「最近」と「間近」の違いについて解説します。
「直近」とは?
「直近」とは?
「直近」とは、「いくつかある中で最も近いもの」を意味する言葉です。
「直近」という言葉は主に時間や距離などに対して使われる表現で「条件に当てはまるものがいくつかある中で基準点から最も近いもの」を指します。
何度も会ったことがある人に対して「直近」という表現をつかう場合は「過去に何度か会ったときのうち最も間が開いていない近いとき」のことを指します。
「開催された中で直近のオリンピック」という言い方に当てはまるのは最も時間がたっていないものなので「前回のオリンピック」です。
時間に対して使うときは経験したものであれば過去、予定であれば未来の時間のうち一番近いものを指します。
距離や場所に対しては物理的な近さを表します。
「直近」の例文
「直近」の例文
・『直近3日間の売上を集計する』
・『駅直近のマンションを契約する』
「最近」とは?
「最近」とは?
「最近」とは、「現在から手近な過去のこと」を意味する言葉です。
一般的に「最近」という表現を使う場合は「今を基準に少し前までを含む時間帯」という意味で使われます。
具体的な基準はありませんが主体から見てほんの少し前であり昔とは認識できない程度の過去までを「最近」と表現します。
あらわす対象によっても基準は異なり人類の歴史のような長い時間を基準にする場合は50年や100年前も「最近」ですが、日常的な感覚で「最近」という場合は年単位よりも短い1カ月程度前までが「最近」にあたります。
「最近」の例文
「最近」の例文
・『最近の男性はパールジュエリーをつけることに抵抗がない』
・『人類の食料生産高が消費カロリーを上回ったのはつい最近のことだ』
「間近」とは
「間近」とは
「間近」とは、「将来のある時点が差し迫っていること」を意味する言葉です。
「間近」が表しているのは「これからすぐやってくる未来」です。
「間近」とは「間が近いこと」であり、この場合の「間」とは将来のある時点までに存在する時間的なゆとりを指しています。
「ある時点がまもなくやってくるほどに近づいている」のが「間近」なので何らかの予定や期限など将来のある時点に具体的な基準がある場合にのみ用いられます。
時間的なことだけでなく空間的なことにも使われるひょうげんで、その場合は単純に「距離が近い」ことを意味します。
「間近」の例文
「間近」の例文
・『オリンピックの開会式が間近に迫っているのにチケットが手元に届かない』
・『遠目からではわからなかったが間近で見ると細かい細工が施されていることがわかる』
「直近」と「最近」と「間近」の違い
「直近」と「最近」と「間近」の違い
「直近」と「間近」は時間や空間に対して使われる言葉ですが「最近」は時間のみに使われます。
「直近」と「最近」は主観となっている人や物に対しての近さを意味しますが「間近」は特定の時刻や対象物など自分以外の存在を基準にしたときの近さを表しています。
いくつかある中で一番近いのが「直近」、主観として近いと感じる範囲が「最近」、対象に対して近いのが「間近」という違いで区別されます。
まとめ
まとめ
同じ近さを意味する言葉でも「直近」と「最近」と「間近」では基準の取り方や捉え方に違いが見られます。
混同すると意味が通じなくなるのでそれぞれの違いを正しく理解しふさわしい言葉を使いましょう。