対立する二者の間で、身動きが取れない状態のこと
「板挟み状態」の解説
「板挟み状態」の解説
「板挟み状態」とは、板と板の間に挟まっているような苦しさを表す言葉です。
対立関係にある二者の間に立たされて、圧迫感があるといった状況を意味していて、どちらかだけに肩入れすることができないといったこともセットになっています。
自分がどちらかの意見ややり方に賛成できるのであれば「板挟み状態」にはなりません。
つまり、どちらにもつきかねるといった立場であることが前提なのです。
また、選ぶことができず身動きが取れないといった心境を表すこともできます。
「板挟み状態」の使われ方
「板挟み状態」の使われ方
「板挟み状態」とは仕事やプライベート問わず、人間関係において起こることです。
他の人たちのトラブルに否応なしに巻き込まれることもありますが、自分が八方美人であったり、いい顔をしたいという思いがあって自業自得な結果として起こっている場合もあります。
必ずしも「板挟み状態」=被害者、可哀そうではないということは頭に入れて使うようにしましょう。
あっちにいい顔、こっちにいい顔といった悪い意味で「板挟み状態」を使うこともありますので、前後にある言葉、雰囲気などから判断するようにしましょう。
「板挟み状態」の例文1
「板挟み状態」の例文1
「彼は、これまでA先輩、B先輩、それぞれにいいことを言ってきたが、今、板挟み状態になっている」
対立する二者に対して、どちらとも仲良くしたい、どちらかの味方につく気はないという場合、それぞれにいい顔をしたり意見を合わせてしまうことは誰しもあるでしょう。
ですが「どちらかを選ばなければならない」といった状況になった時、苦しむことになります。
自分が選ばなかった者からは「裏切者」として恨まれたり憎まれたりします。
それぞれと仲良くやっていきたいという思いがあればあるほど選ぶことは難しくなります。
そのような心境、状況が「板挟み状態」なのです。
「板挟み状態」の例文2
「板挟み状態」の例文2
「夫婦不仲は大人の問題で同情しないが、板挟み状態になっている子供は可哀そうだ」
夫と妻が不仲で、それぞれ憎み合うといったことはよくあることです。
子供の立場からすればどちらも大事な親であり、片方を選び、片方を憎むといったことは難しいことも多いのです。
どちらの味方もできない、という状態を「板挟み状態」と言います。
「板挟み状態」の類語・言い換え表現
「板挟み状態」の類語・言い換え表現
「板挟み状態」と似た意味がある言葉を紹介します。
「ジレンマ」
「ジレンマ」
「ジレンマ」とは、自分の思い通りにしたい二つの事柄のうち、どちらかを選べば、どちらかが不都合な結果になるということで、選べないと苦しむことです。
「仕事と家庭のジレンマに悩み続けている」「自分の夢、実家がやっている店、どちらも大事なのでジレンマに陥る」などと、使います。
「二律背反」
「二律背反」
「二律背反」とは、二つの相反するものの間に立たされて苦しむことという意味になります。
「手作り品を売っていた時、値段と質という二律背反に陥った」「彼の言動は、二律背反している」などと、使います。
「にっちもさっちもいかない」
「にっちもさっちもいかない」
「にっちもさっちもいかない」とは、物事が滞りどうにもできないという意味で使います。
「あなたが最終的に決めてくれないと、にっちもさっちもいかないのです」「両者がいがみ合っていて、にっちもさっちもいかない」などと、使います。
「間に挟まれる」
「間に挟まれる」
「板挟み状態」を簡単な言葉で言い換えるならば「間に挟まれる」となります。
対立する二者の間で、それぞれから悪口を聞かされたり、味方に引き入れようとされて、苦しいといった意味合いで使われます。
「あんた達の間に挟まれる子の身になって考えてみなさい」「彼女たちが喧嘩するのは自由だけど、間に挟まれる私たちが迷惑する」などと、使います。