ビジネス業界で使われる言葉「社内失業」とはどのような意味なのでしょうか。
今回は、「社内失業」の意味と類似表現について解説します。
「社内失業」とは?意味
「社内失業」とは?意味
「社内失業」とは、「正社員として会社に雇用されていながら仕事を与えられるやることがない状態」を意味する言葉です。
「社内失業」の概要
「社内失業」の概要
会社を辞めたり解雇されたりして仕事が無い状態のことを「失業」といいますが「社内失業」とは「会社に雇用されていながら実質的には失業している状態」を意味する言葉です。
会社が人を雇うのは仕事をさせるためです。
安くはない給料を払うのはそれに見合う仕事や責任を果たすからであり、労働サービスの対価として給料が支払われるというのが雇用関係の基本です。
通常は給料に見合わない仕事しかしない者破壊者にとって不要なので無駄な給料を払わないよう解雇されますが、現実的にはそう簡単に人を解雇することはできません。
労働者は様々な法律によって守られています。
いらないから、役に立たないからといって会社は気軽に解雇できず給料に見合わない仕事しかしていないのに雇われている人は少なくありません。
現場再編や事業統合などが行われると余剰人員が出ることが多いのですが、そのような余剰人員もすぐに整理されることはまれです。
「社内失業」とは「事情により与えられる仕事がなくなってしまったが解雇されていない状態」を指します。
仕事もせずに給料だけもらえるというのはある意味夢の様な環境に思えますが、実際にそのような立場に立たされると話はそう簡単ではありません。
出社してもやる仕事が無いのは想像以上にきつく、周囲から役立たずなど陰口をたかれることもあります。
特に高齢の労働者は年功序列の関係もあり解雇を言い渡してこじれるよりは退職まで待った方がいいという理由で「社内失業」になるケースが見られます。
「社内失業」は能力不足や年功序列など様々な理由が考えられますが、中には周囲からは「社内失業」と思われていながら実は会社に大きく貢献している人もいます。
普段はほとんど仕事もしていないベテラン社員がトラブル発生時にこれまでの経験で培ってきたコネクションを活かして必要な人員や資材を手配したり独自ノウハウを提供したりなど、いざというときの切り札的に活躍する姿は老舗会社で多く見られます。
本当に何の仕事もしていないで給料だけもらっている人はごくわずかです。
仕事をしている姿を見ないからという理由だけで「社内失業」と決め付けるのは早計です。
「社内失業」の言葉の使い方や使われ方
「社内失業」の言葉の使い方や使われ方
・『ミスをして左遷され社内失業状態になってしまった』
・『社内失業の会社に出社するのは針のむしろに座るようなものである』
・『社内失業状態にある人員に解雇を通達した』
・『大きな会社ほど社内失業の人が入る確率が高い』
「社内失業」の類語や言いかえ
「社内失業」の類語や言いかえ
・窓際族
「出社後日がな一日窓際で過ごすだけで仕事をしない会社員」を指す言葉です。
昭和時代に誕生した言葉で意味としては「社内失業」とほぼ同じです。
派閥争いで負けたりミスして職務を外されたりといった出世街道から外れた人を指す意味合いもあります。
まとめ
まとめ
雇用環境が厳しくなりつつある中「社内失業」を抱えておける余裕のある企業はどんどん少なくなっています。
必ずしも本人に落ち度があるとは限らず会社が原因の可能性もあるので無能だ、役立たずだと決め付けるのは辞めましょう。