人の扱われ方を表す言葉として「腫れ物扱い」という表現がありますが、具体的にどのような扱いを指すのでしょうか。
今回は、「腫れ物扱い」の意味と類似表現について解説します。
「腫れ物扱い」とは?意味
「腫れ物扱い」とは?意味
「腫れ物扱い」とは、「ふれてはいけない人として距離を置かれること」という意味の言葉です。
「腫れ物扱い」の概要
「腫れ物扱い」の概要
「腫れ物扱い」の「腫れ物」とは「人間の体にできる腫れ」のことです。
ニキビや吹き出ものなど皮膚にできる腫れはかゆみや痛みを伴うやっかいなものです。
かゆみに耐えかねていかきむしってしまったり状態が気になって触って確かめてしまったりする人もいますが、回復を考えるならはれものには極力触るべきではありません。
汚れた手で触ると感染症の恐れがありますし治りかけの皮膚に刺激を与えてしまうことでさらに症状が悪化してしまう可能性もあります。
腫れものは薬などで処置を施したあとはふれることなくじっと待つのが正しい対処法です。
ふれると治りが遅くなることから距離をおいて見守る腫れものを人になぞらえた表現が「腫れ物扱い」です。
「腫れ物扱い」とは「人を腫れもののように扱うこと」であり具体的には「その人にふれるとやっかいなことになるので距離を置き極力接しないようにすること」を意味します。
「腫れ物扱い」という言葉が使われるのは「コミュニケーションを取るとやっかいなことになる可能性が高い人」です。
関わらなければ平穏無事に過ごせるが関わってしまうと何かのトラブルが発生してしまう可能を持つ事情を抱えている人に対して「腫れ物扱い」という表現が使われます。
皮膚に出来たニキビや吹き出物などの腫れものもふれることなく距離をおいていればその内自然治癒しますが、不用意に触ってしまうと状態が悪化したり破裂して膿が吹き出したりしてしまう恐れがあります。
「腫れ物扱い」も同様に「その人にふれるとトラブルが起きたり感情が爆発してしまう恐れがあるので距離をおいて扱う様子」を表します。
「腫れ物扱い」は積極的に関わりませんが、かといって無視するわけでもありません。
必要最低限の交流はもつが深くは関わらないのが「腫れ物扱い」であり無視したり邪険に扱ったりといった積極的な加害性は持たない微妙な距離感をあらわす言葉です。
「腫れ物扱い」の言葉の使い方や使われ方
「腫れ物扱い」の言葉の使い方や使われ方
・『留年した彼はクラスで腫れ物扱いされている』
・『トラブルを起こして左遷されてきたので腫れ物扱いされても仕方がない』
・『元々コミュニケーションが苦手な人にとって腫れ物扱いはさほど苦にならない』
・『いつまでも腫れ物扱いせず積極的にコミュニケーションを取って関係改善を目指すことにする』
「腫れ物扱い」の類語や言いかえ
「腫れ物扱い」の類語や言いかえ
・地雷
「表からは見えないふれてはいけない部分にふれてしまうと爆発する可能性がある人」を意味する言葉です。
一般的には何のきっかけで爆発するかわからない厄介な人に対して使われる表現ですが、爆発のきっかけになる物事が表からは見えないことから関わりそのものを立つことが一番の対処法です。
トラブル回避のために距離を置かれる点が「腫れ物扱い」と酷似しています。
・事故物件
「過去に問題を起こした経緯を持つ人」を意味する言葉です。
元々は人が死んだなど事情を抱えている不動産物件を意味する言葉でしたが転じて「やっかいな事情を抱えている人」を意味する言葉として使われています。
「腫れ物扱い」とは気を使われる点が共通しています。
まとめ
まとめ
「腫れ物扱い」は日常生活でも使われる表現です。
本人に面と向かって使う言葉ではないのでうっかり口を滑らさないように注意しましょう。