この記事では、「既成」と「既製」の違いを分かりやすく説明していきます。
「既成」とは?
「既成」とは?
すでに出来上がっていることを意味する「既成」。
ただし、「既成」の場合、すでに出来上がっているものが必ずしも目に見えるものとは限りません。
「既成」の場合、事柄において、すでに出来上がっている、存在していることを意味するため、目に見えないものに対し用いられる言葉となります。
「既成」は、既に成し遂げていると書き、何かについて、すでに成立しているものを意味しています。
「既成」の使い方
「既成」の使い方
「既成」を用いた言葉には、「既成概念」や「既成の事実」があります。
「既成概念」とは、すでに成立している概念。
つまり、物事の性質に対する共通の認識と意味し、「既成の事実」は、すでに成立している事実を意味します。
そのほか、「既成作家」や「既成の体制」、「既成の権力」などといった言葉があります。
「既製」とは?
「既製」とは?
すでに完成した、出来上がった製品を「既製」と言います。
オーダーを聞き製造するのではなく、製品としてすでに完成した状態のものを意味し、「既製」の場合は、目に見えた製品を意味する言葉となります。
「既製」は、すでに製造されていると書き、製品として出来上がっているものを意味しています。
「既製」の使い方
「既製」の使い方
「既製」を用いた言葉には、「既製品」や「既製服」、「既製のスーツ」、「既製の商品」、「既製のパーツ」など、すでに完成しているものを示す使い方となります。
「既成」と「既製」の違い
「既成」と「既製」の違い
すでに出来上がっている、完成している、といった意味では同じ意味を持つ「既成」と「既製」ですが、そのものが形あるものか、そうでないか、といった違いがあります。
「既成」の場合、目に見えるとか限らず形ないものを意味する言葉に対し、「既製」の場合は、形あるものに対し用いられる言葉となります。
この、目に見える形の有無によって、「既成」と「既製」を使い分けることとなります。
「既成」の例文
「既成」の例文
・『彼の作品は、既成概念にとらわれない、素晴らしい作品です。』
・『彼のことが好きで仕方のない私は、様々な既成事実を作り上げることにしました。』
・『あなたは、デザイナーとしては、少し既成の枠にとらわれすぎているのではないかと思います。』
・『既成概念を壊すことは、凡人の私には難しいです。』
「既製」の例文
「既製」の例文
・『彼が着ているスーツは既製のスーツとは思えないほど、彼の身体にマッチしています。』
・『老眼鏡の場合、既製品でまかなうことができるので助かります。』
・『新居のカーテンを既製品にするか、オーダーメイドするか、迷っています。』
・『私のようなものなど既製品で十分です。』
まとめ
まとめ
以上のような違いがある「既成」と「既製」。
迷った際は、そのものが目に見える形あるものなのか、そうでないか、を考えることで、どちらが正しい「きせい」なのかわかり的確に使い分けることが可能です。