日本の慣用句には「袖振り合うも多生の縁」という言葉があります。
仏教用語が使われているため、特に西洋の方に対して説明する際は伝え方を工夫しなければなりません。
今回は「袖振り合うも多生の縁」について、日本語での意味と英語表現を確認していきましょう。
「袖振り合うも多生の縁」の日本語での解釈
「袖振り合うも多生の縁」の日本語での解釈
まず注意点として、「袖振り合う」ではなく「袖すり合う」「袖触れ合う」という表現もあります。
同様に「多生」の部分も「他生」と表現される場合があります。
どの場合も意味は変わりません。
「着物の袖が触れ合うことにも前世からの関係によるものだ」というのが元々の意味で、そこから「どんな小さなことも深い因縁によるものだ」という意味で使われています。
「前世からの因縁」という点が仏教的な考え方なので、英語で表現する場合はここをどう表すかがポイントになります。
「袖振り合うも多生の縁」の英語とは?
「袖振り合うも多生の縁」の英語とは?
A. Even a chance acquaintance is decreed by destiny.
B. A meeting by chance is preordained.
「袖振り合う」という部分は「偶然の出会い」と言い換えられます。
また、「多生の縁」は「運命」という言葉を使って表現することができます。
詳しく見ていきましょう。
「袖振り合うも多生の縁」を使った英語の例文
「袖振り合うも多生の縁」を使った英語の例文
・『They say that even a chance acquaintance is decreed by destiny. 』
(直訳:偶然の出会いさえ運命によって定められていると言われている)
ここでの「chance」は「偶然の」という意味の形容詞として使われています。
また、「decree」には「(運命が)定める」という意味があるので、受動態にすることで「定められる」という訳になります。
・『A meeting by chance is preordained. 』
(直訳:偶然の出会いは前もって定められている)
「preordained」は「pre-ordained」とも表記します。
「pre(前に)」と「ordain(定める)」の受動態が付き、「前もって定められる」という意味になります。
・『Even a chance meeting is due to fate. 』
(直訳:偶然の出会いさえ運命の結果だ)
「fate(運命)」ではなく「karma(因縁、宿命)」を使っても同様の表現をすることができます。
上記2つの例文は「〜に定められている」という表現でしたが、このように「〜の結果」という表現も可能です。
まとめ
まとめ
「袖振り合うも多生の縁」という慣用句について、日本語での解釈と英語表現を確認しました。
英語にする場合は、「偶然の出会い」が「運命によって定められている」という内容を表しましょう。
似た意味の単語はいくつかあるので、必ずしも今回挙げた単語を使わなければならないということではありません。
慣用句は英語に直訳することが難しいため、意味を捉えて表現するようにしてください。