社会問題として深刻化しているもののひとつに「ワープア」がありますが具体的にはどのような意味なのでしょうか。
今回は、「ワープア」の意味と類語について解説します。
「ワープア」とは?意味
「ワープア」とは?意味
「ワープア」とは、「ワーキングプア」の略で「仕事に就いているのに給料が低く貧しい生活の人」を意味する言葉です。
「ワープア」の概要
「ワープア」の概要
「ワープア」とは簡単にいえば「働いているのに貧乏な人」です。
従来の労働統計や貧困調査では仕事に就いているかいないかが大きな問題でした。
仕事に就いていれば生活するだけの収入を得られるが仕事に就いていなければ収入がなく苦しい生活を送らざるをえない、というのがこれまで考えられてきた常識です。
このような考え方は30年続く不景気の影響で大きく変化します。
バブル崩壊前の景気が良かった時代、人々はどんな内容であれ仕事についていればそれなりの生活が遅れました。
当時もてはやされたアルバイトで生計を立てていく生き方「フリーター」も今のようにアルバイトしか仕事が見つからないというネガティブなニュアンスではなく、会社に縛られず自由に働いて生きていくという前向きな意味合いで使われていました。
当時は最低賃金で募集をかけても応募してくる人などおらず有名無実化していたほど給与水準が高かったので働いているということが人並みの生活を遅れることを直結していたのですが、不景気によって状況は大きく変わります。
バブル崩壊後の長期不況とデフレにより所得水準が大きく下がり働いても満足な収入を得られない求人が増加します。
特に非正規雇用の所得低下は著しく、何とか食いつなげてもとても余裕のある生活は送れません。
給料の高い仕事に転職しようにもそんな求人はどこにもなく若者を中心に能力があり意欲もあるのに働いても満足な給料をもらえていない人が大勢いるのが実情です。
そのような「きちんと仕事をしているのに給料が安く貧しさから抜け出せない人」を「ワープア」といいます。
「ワープア」は本人にとって苦しいだけでなく労働によって生み出されると身の量が少なくなることから社会的にもマイナスの影響を及ぼします。
学問的な定義では「フルタイムで労働していても貧困線以下の状態にある人」が「ワープア」です。
「ワープア」の言葉の使い方や使われ方
「ワープア」の言葉の使い方や使われ方
・『ワープアの改善には官民一体となった取り組みが不可欠だ』
・『自己責任でワープアを批判するのは間違いだ』
・『景気が良くならない限りワープア問題の解決は難しい』
・『ワープアを放置すれば国が滅びる、というのは決して大げさな話ではない』
「ワープア」の類語や言いかえ
「ワープア」の類語や言いかえ
・働く貧困層
「貧困層に分類される人たちの中でも仕事に就いている人」を意味する言葉です。
従来貧困層というのは病気やケガなどの理由で働けない人や働く意欲のない人が中心でしたが仕事に就いていながら収入が少なく「ワープア」状態にある人のことを「働く貧困層」と呼び区別しています。
まとめ
まとめ
「ワープア」が社会問題として取り上げられてから10年以上が過ぎましたが大作は十分とはいえない状態が続いています。
自己責任論が流行ったせいで見過ごされがちな存在ですが国の経済を押し下げる要因でもあるため彼らの窮状を救うことが巡り巡って日本経済立て直しにつながることを忘れてはいけません。
長期不況という失敗のツケを押し付けられた責任として救済するのが社会の使命です。