この記事では、「電気機関車」と「電車」の違いを分かりやすく説明していきます。
「電気機関車」とは?
「電気機関車」とは?
パンタグラフから電気を取り、モーターで駆動するタイプの機関車で、1両で10両以上の客車を牽引できます。
操作は機関車のみで行われるのが基本のため、先頭に機関車を繋ぐ必要があり、帰りの列車は機関車を付け替える必要があります。
日本以外の多くの国では機関車牽引による列車が多くなっており、前後に機関車に相当する車両をつけて入れ替えの手間をなくしたものもあります。
日本ではほとんどが貨物列車に機関車が用いられており、かつて存在して寝台列車が電気機関車の牽引となっていました。
電気機関車の牽引は非電化区間ではディーゼル機関車と交代して運用できるというメリットもあります。
「電車」とは?
「電車」とは?
パンタグラフや第三軌条から電気を取り、走行用モーターなどの機器を床下に搭載して客室スペースを持った電気で走る列車を指します。
新幹線や山手線などを始めとした日本の電化区間のほとんどの営業列車、地下鉄はすべて電車です。
10両編成の電車であればすべての車両にモーターを搭載したケースもあれば4両程度に搭載したケースもあり、速度やメンテナンスのしやすさなどで選択されます。
機関車が牽引する列車と異なり、前後に運転台があるため入れ替えの必要がなく、ホームに停車した車両の全てに乗車できる点もメリットです。
また、全車二階建てなどの構造は動力を搭載しない車両が設定できる電車ならではと言えます。
最新の燃料電池によって発電する車両、ディーゼルエンジンを搭載して非電化区間で走れる車両に関しては区分としては電車になり、電池で走る車両も電車と分類されます。
将来的にバッテリーが大幅に進化した場合、既存の非電化区間はバッテリーによる電車で置きかえられることが考えられます。
「電気機関車」と「電車」の違い
「電気機関車」と「電車」の違い
「電気機関車」と「電車」の違いを、分かりやすく解説します。
「電気機関車」と「電車」はともに電気を取ってモーターで走る車両ですが、電気機関車のほうがより大出力で、重い貨物列車を牽引する役割を持っています。
電気機関車には積載スペースがありません。
一方電車は1両あたりの出力は低いものの、客室スペースが取れるようになっており、1両でも運用できます。
新幹線のようなほとんどの車両にモーターを搭載し、大出力の電車も存在しています。
電気機関車で2022年時点ではカーブをより早く走れる車体傾斜機能を搭載したものが運行されていない点も電車との違いといえます。
なお、海外では電車より電気機関車牽引の列車が多くなっています。
まとめ
まとめ
「電気機関車」と「電車」は電気で走る列車というくくりが出来ますが、電気機関車は客室はありません。
電車は客室があるという点が大きな違いと言え、日本では電気機関車は貨物列車の牽引をメインとしており、例外的に臨時の寝台列車なども牽引しています。
日本の電化区間の営業列車はほぼ電車です。