この記事では、「撲滅」と「根絶」の違いを分かりやすく説明していきます。
「撲滅」とは?
「撲滅」とは?
力を加えて完全になくなるようにすること、余すことなくなくすことです。
なくすものは何なのかは意味に含まれていません。
また、この言葉は自然になくなることではなく、力を加えてなくすことを意味しています。
たとえば、夏にはたくさんの花を咲かせていたアサガオも、冬になればその姿をみなくなります。
これは寒さで枯れてしまったためで、自然になくなっています。
こういったことは「撲滅」が意味するものではありません。
乳がんは治る病気ですが、場合によっては命を失ってしまうことがあります。
命を失わないためには、早期発見・早期治療をすることが大切です。
乳がんで亡くなる人をなくすために、定期的に検査を受けましょうという呼びかけがされています。
この活動は「乳がん撲滅のための活動」といいます。
シロアリは住宅の木材をダメにしてしまう、人間にとってはやっかいな存在です。
駆除したつもりでも、わずかにでも残っていればまた繁殖する可能性があります。
そのため、駆除するときには一匹残らず徹底的に駆除が行われます。
このことを「シロアリの撲滅」といいます。
「撲滅」の使い方
「撲滅」の使い方
完全になくすという意味で使用をします。
何をなくすのかは意味に含まれていないため、さまざまな事柄に使用されます。
人間にとって不都合なものをなくすことをいう場合が多いです。
「根絶」とは?
「根絶」とは?
悪い習わしなどを根本からすっかりなくすことです。
表面部分だけをなくすことではなく、おおもとの部分からなくすことを意味します。
暴力団は社会的にあまりよくないものと認識されています。
暴力団には、親分がいて、その下に弟子や子分がいます。
弟子や子分だけをすっかりなくしても、根本からなくしたとはいえません。
親分が残っていれば、また子分などを新しく入れて暴力団は続くことでしょう。
おおもとである親分も含めてすっかりなくすことを「根絶」といいます。
「根絶」の使い方
「根絶」の使い方
すっかりなくすという意味で使用をします。
なくすものが悪い習わしである場合に使うことが多いです。
「撲滅」と「根絶」の違い
「撲滅」と「根絶」の違い
すっかりなくすという意味が似ていますが、意味合いは異なります。
「撲滅」は完全になくすことで、根本からという意味合いではありません。
「根絶」は根本からなくすことで、それが悪い習わしなどである場合をいいます。
「撲滅」の例文
「撲滅」の例文
・『感染症を撲滅する』
・『撲滅キャンペーン』
・『事故の撲滅』
・『すでに撲滅された』
「根絶」の例文
「根絶」の例文
・『飲酒運転を根絶する』
・『人身売買を根絶する』
・『根絶しようという取り組み』
・『根絶を目指す』
まとめ
まとめ
すっかりなくすという意味が似ていますが、一方は完全になくすことで、なくすものは何なのか意味に含まれておらず、もう一方は根本からなくすことで、なくすものが悪い習わしなどである場合をいいます。