ただでさえ意味がわかりにくいカタカナ語の中でも言葉そのものが似ているとさらに混乱してしまいます。
似ているために混乱しやすいカタカナ語として「コミット」と「オミット」がありますが、このふたつはどのような意味なのでしょうか。
今回は、「コミット」と「オミット」の違いについて解説します。
「コミット」とは?
「コミット」とは?
「コミット」とは、「関与して責任を持つ」という意味の言葉です。
語源は英語の「Commitment(コミットメント)」です。
参加したり発言したりといったように主体としてではなくある物事に携わることを「関与する」といいます。
「コミット」はただ関与するだけではなく「関わることによってもたらされる結果に対しても責任を持つ」という意味で使われます。
「求められたから意見を出しただけ」「手出しはするが後はどうなろうと構わない」といったような無責任な態度ではなく「関与したものとして最後まで行末を見届け結果に対して責任を持つ」のが「コミット」です。
「結果に対して責任を持つ」ことから転じて「責任をとらなくてもいいような満足の行く結果を約束する」という意味で「コミットする」という形で使われることが多く「自信を持って物事に関与する」ことを表す言葉として用いられています。
「コミット」の使い方
「コミット」の使い方
・トレーナーが肉体改造の結果にコミットする。
・我が社のコンサルタントが会社の立て直しにコミットします。
・今年中の売上高30パーセントアップ実現にコミットします。
・新番組の立ち上げにコミットする。
「オミット」とは?
「オミット」とは?
「オミット」とは、「省く」という意味の言葉です。
ある要素から特定の要素を取り除くことを指す言葉が「オミット」です。
一般的は不要なもの、余計なものを除外することを指します。
既にあるものから省くのが「オミット」なので、その目的は余計なものをそぎ落とすことにあります。
試作品から使わない機能やコストが掛かり過ぎる仕様を省いたり、プロジェクトに不要な人材を担当から外す行為が「オミット」に該当します。
「オミット」は基本的に完成度を高めたり純度を向上させたりといった前向きな目的のために行われる行為を指しますが、派閥や人間関係などで排除されるなど必ずしも前向きとはいえない除外する行為を指す使い方もあります。
「オミット」の使い方
「オミット」の使い方
・試作機にあった可変機構は量産型ではオミットされた。
・非協力的な態度を取る人をプロジェクトからオミットする。
・重複している確認作業の一部をオミットして効率を高める。
・不要な回路をオミットする。
「コミット」と「オミット」の違い
「コミット」と「オミット」の違い
「コミット」は関与すること、「オミット」は除外することを意味しており正反対の行動を表しています。
「コミット」は物事に関わる人や物が増えますが、「オミット」は関わる人や物が減ります。
口出しする人が増えるのが「コミット」で減るのが「オミット」です。
「コミット」は影響力という形で間接的に関わりますが、「オミット」は機能削減など物事から要素を直接的に除外するという違いがあります。
まとめ
まとめ
「コミット」と「オミット」は言葉こそ似ていますが意味は全くの正反対です。
取り違えて使うと反対の意味で伝わってしまいます。
それぞれの意味を正しく理解して間違えないようにしてください。