「現状」と「現行」は、意味は似通っていますが、用いる対象が異なります。
「現状」と「現行」の違い
「現状」と「現行」の違い
「現状」は、「現在の様子」と言い換えることができる言葉です。
「現状では、どちらとも言えない」、「現状は、このような感じだ」のような使われ方になり、何かが今現在ではそうなっていると表す為に使われます。
「現行」は、現在の基準、現在の形といった意味になる言葉で、例えば、モデルチェンジがあった自動車に対し、「現行のモデルでは、リアスピーカーが標準装備になったそうだ」などと用いられます。
どちらも「現在のこと」を表す表現には違いありませんが、「現状」は進行している事柄の現時点での様子、「現行」は時折変わっていく対象の現在の形だという違いになると考えていいでしょう。
よって、その対象によってどちらが適しているか(どちらを使うべきか)が変わります。
「現状」を使った例文と意味を解釈
「現状」を使った例文と意味を解釈
「現状」を使った例文と、その意味の解釈になります。
これは常に変わっていると考えられる為、あくまでそう使った時点での様子になります。
「報告によると、あまり好ましい現状とは言えそうにない」
何かの様子が好ましい具合ではないと言っています。
ただし、人づてに回ってきた報告などの場合には、現在より少し前までの様子のことかも知れず、今現在ではそれとは少し変わっているかも知れません。
「現行」を使った例文と意味を解釈
「現行」を使った例文と意味を解釈
こちらは「現行」を使った例文と、その意味の解釈になります。
それほどすぐ変化するという性質ではない対象に使われる言葉です。
「現行の基準だと、それでは不合格になってしまう」
以前の基準ではそれでよかったのかも知れませんが、現行の基準には適合しないようです。
このようなケースは色々な事柄においてそれほど珍しいことでもありません。
まとめ
まとめ
このように、「現状」と「現行」は、使われる対象の変化の速度によって使い分けると考えていいでしょう。