この記事では、「適宜」と「随時」の違いを分かりやすく説明していきます。
「適宜」とは?
「適宜」とは?
「適宜」には2つの意味があります。
一つは、移り変わるそのときどきのありさまによく合っていることです。
学校の同じクラスでも、算数ができる人もいれば、あまり得意でない人もいます。
難しい算数の問題を、算数が得意でないものに出すのは、その状況によくあっているとはいえません。
算数が得意でないものは、学校の授業についていくことに苦労をしていることでしょう。
このような状況に対して個別に指導をすることは、その状況にあっているといえます。
そうすれば、多少苦労は減ることが期待できます。
この場合は「適宜個人指導をする」ということができます。
もう一つの意味は、そのときどきにあわせて、各自判断して行動をするです。
セミナーのことで考えてみます。
このセミナーでは、最後に質疑応答の時間がとられています。
その前に重要なことはすべて話されています。
重要なことだけを聞きたい人は、最後の質疑応答は聞かなくてもよく、帰ってよいとされていました。
帰るかどうかは、セミナー参加者それぞれの判断に任せられています。
帰ってもよいし、帰らなくてもよいのです。
この場合は「適宜帰ってよい」ということができます。
「適宜」の使い方
「適宜」の使い方
そのときどきの状況にあっている、そのときどきにあわせて行動する、といった意味で使用をします。
誰かの指示によって動くことではなく、各自の判断で行動することに使われることが多いです。
「随時」とは?
「随時」とは?
「随時」には2つの意味があります。
一つは、そのときどきです。
そのとき、そのとき、といった意味です。
「随時情報を更新しています」のような使われ方をし、この場合はそのときどきに応じて情報を発信しています、といった意味になります。
もう一つは、好きなときにいつでもです。
「随時入学募集」と謳っている塾があります。
これは、いつでも入学を募集しています、という意味になります。
日時に限りを設けていないことです。
「随時」の使い方
「随時」の使い方
定期的ではなく、期限を設けておらず、いつでも好きなときに、という意味で使用をします。
「適宜」と「随時」の違い
「適宜」と「随時」の違い
2つの言葉は、そのときどきに応じて行動する、という意味が似ています。
前者の言葉は、状況にあっているという意味がありますが、この意味は後者の言葉にはありません。
また、後者の言葉はいつでも好きなときにという意味がありますが、この意味は前者の言葉にはありません。
「適宜」の例文
「適宜」の例文
・『適宜水を加えてください』
・『適宜水分補給をする』
・『適宜休憩してください』
「随時」の例文
「随時」の例文
・『随時受けつけをしています』
・『随時確認しています』
・『この施設は随時利用できます』
まとめ
まとめ
2つの言葉は、そのときどきという意味を持っています。
しかし、一方はその状況にあっている、もう一方はいつでも好きなときに、という意味があり、やや意味合いが違う部分があります。