「確執」と「軋轢」の違いとは?分かりやすく解釈

「確執」「軋轢」は二者の間で争いや不和が起こる様子を指す言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。

この記事では、「確執」「軋轢」の違いを分かりやすく説明していきます。

「確執」とは?

「確執」とは?

「確執」とは、互いの意見が合わないために争いやいがみ合いが起こることです。

「かくしつ」と読みますが、「執」「しゅう」と読めることから「かくしゅう」と読むこともあります。

「確執」に使われている漢字の意味を見てみると、「確」はかたいこと、「執」はこだわる、意地を張ることを指しており、これらを組み合わせた「確執」は強く意地を張って相手と打ち解けようとしない様子を示していることがわかります。

「確執」は、個人間や組織などにおいて、意見の食い違う者同士が自分の考えを曲げようとせず、相手と張り合う様子を表します。

「確執」の類語は「いざこざ」「仲たがい」「敵対」などです。

「仲たがい」は両者の仲が良くないこと、「いざこざ」はもめごとが起きている様子、「敵対」は相手を憎んで対立することで、相手との関係が悪化していることを表している点が共通しています。

これらと比べると、「確執」は、互いが硬く心を閉ざして断絶しているニュアンスがより強く感じられます。

「確執」の例文

「確執」の例文

・『父との間には確執があり、10年間口もきいていない』
・『大統領の発言がきっかけで、対立国との確執がさらに深刻化した』

「軋轢」とは?

「軋轢」とは?

「軋轢」「あつれき」と読み、二者の間で行き違いが起こり関係が悪くなることを意味します。

「軋轢」に使われている漢字は、どちらも難しくて普段あまり目にすることがないものです。

「軋」「轢」の意味を見てみると、どちらも部首に「くるまへん」が付いて同じような意味を持ち、車輪がキイキイときしんで音を出すような状況を指します。

また同時に、人の間でもめごとが起こる様子も意味します。

これらを組み合わせた「軋轢」は主に、人と人の間で摩擦が起こり、不調和や衝突が起こる様子を表しているのです。

「軋轢」は、元は仲の良かった者同士に意見や感情のすれ違いが起こり、それがきっかけで両者の関係性が悪化してしまう様子を表します。

両者の間にぎくしゃくとした空気が漂うような状況です。

雰囲気が類語は「葛藤」「齟齬」【そご】などです。

「葛藤」はもめて争うこと、「齟齬」は行き違いがあることで、意見が合わないためにもめる様子、すれ違いが起こる様子を表すところは「軋轢」と意味が共通しています。

「軋轢」の例文

「軋轢」の例文

・『世代の違いによる軋轢をなくし、風通しの良いコミュニティをつくる』
・『あのロックバンドが解散したのは、バンド内で軋轢が生じたことが原因らしい』

「確執」と「軋轢」の違い

「確執」と「軋轢」の違い

「確執」「軋轢」の違いを、分かりやすく解説します。

「確執」「軋轢」はどちらも意見の違いから仲たがいや争いが起こる様子を表現していますが、ニュアンスが微妙に違います。

「確執」は元の関係性を問わず、両者の意見が食い違って対立が起きている状態を指していますが、「軋轢」は元は良好な関係を築いていた者の間ですれ違いや関係性の悪化が生じている点が異なります。

まとめ

まとめ

「確執」「軋轢」は同じような使われ方することが多いのですが、微妙な違いがあります。

両者の関係や場面に応じて「確執」「軋轢」を上手に使い分けていくと良いでしょう。

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