この記事では、「悲しい」【かなしい】と「哀しい」【かなしい】の意味や使い方、例文を分かりやすく説明していきます。
「悲しい」とは?
「悲しい」とは?
悲惨な出来事があったとき、人は「悲しい」【かなしい】という負の感情に包まれ、悲観に暮れるほど失望し、強い挫折感に悩みます。
涙が出てしまうほどつらいと感じ、脱力感に打ちひしがれて、気力を失ってしまう感情に強く押しつぶされそうになった人のさまはとても痛々しく、胸を締め付けられてしまいそうになるほど気の毒に思うわけです。
本人も、ひどい悲しみに悩み続けることで身体的感覚と共に、表情が暗くなるだけではなく、涙が出るほどつらい気持ちになり、やる気を失ってしまいます。
使い方としては、「悲しい顔」「悲しい目」と人の部位でいかに泣き出しそうになるくらいつらく、落ち込んでいるかを表現できます。
「哀しい」とは?
「哀しい」とは?
表だってつらさを表すのではなく、心の中に秘めた悲しみを伝えるとき使うのが「哀しい」であり、痛切に心が揺さぶられるほどうちひしがれている状態を表せる言葉です。
主に、人が亡くなったときや、あまりにも恐ろしい場面に出くわし、心から悲観するときなどその人がかなりつらい心情であるときに適しています。
読み方としては「かなしい」とは読まず、「あわれ」や「あい」と言い表し、人の心に秘めた負の感情に色をつけて表現できる言葉です。
文章にしたためるときは相手へ「悲しい」気持ちである状態を伝えられるわけです。
「悲しい」と「哀しい」の違い
「悲しい」と「哀しい」の違い
「悲しい」と「哀しい」の違いを、分かりやすく解説します。
「悲しい」の「非」は「割れる」という意味があり、「心」を足すことで「心が割れるほどの切なさを強く感じる」人の状態を表せようになり、多くの人がいっせいに悲しんだり、長く「悲しい状態」が続いているさまを表すときに使われています。
一方の「哀しい」は文学的な表現であり、心が痛み、泣けるほど心からつらい気持ちに包まれる自分の状態を表すときに使うという違いがあります。
かなり胸がつまる出来事があり、嗚咽して泣くような、心が傷つくひどい出来事に遭遇したとき使う言葉です。
「悲しい」の例文
「悲しい」の例文
・『多くの人が訪れる老舗の料亭が閉店して、常連が悲しい気持ちになり涙を流す』
・『妹が怪我してひどく落ち込んでいる姿を見ると悲しくなってしまう』
人は心から切なくなる場面を目撃したとき、つらい感情に包まれて涙を流したくなるほど切なくなり、「悲しい気持ち」に包まれてしまいます。
他にも、愛する家族、恋人が気の毒な姿を見るだけで負の感情に包まれてしまうとき「悲しい」と思うわけです。
「哀しい」の例文
「哀しい」の例文
・『愛する彼女が病気で亡くなってから1年は経つが、日ごと哀しみが増していく』
・『人に騙されて全財産を失った友人は大事な家族も失い、哀しみのあまり行方をくらました』
自分にとって、大事な人が消えてしまったことにひどく憤りを感じた者は、数日後にその「哀しい」気持ちが増していくわけです。
お金どころか、自分の大事な家族さえも失ってしまったとき、人はつらい気持ちになってしまい、一人では生きることさえ困難と感じ、今の状態から抜け出したい思うあまり行方をくらますこともあります。
まとめ
まとめ
どちらも人の切ない気持ちを表せる言葉ですが、「悲しい」は主に自分の感情を分かりやすく表すときに使うことが多く、「哀しい」は心の内面で感じる負の感情を文学的に文章で伝えたいときに使うという違いがあると覚えておくといいでしょう。