「押捺」と「捺印」はどちらも「捺」という字が含まれた意味の似ている言葉です。
この記事では「押捺」と「捺印」の違いについて分かりやすく説明していきたいと思います。
「押捺」の意味や使い方とは?
「押捺」の意味や使い方とは?
「押捺」は、紙などに印判などを押すことをいいます。
「おうなつ」と読み、広い意味では印判を押すこととなっていますが、とくに自分の指を使って判を押すという意味で使われる言葉です。
「押」と「捺」はどちらも「押す」という意味を持っている漢字です。
映画や時代劇などで目にすることのある人差し指の腹に朱肉をつけて紙などに判を押すことをあらわし、つまり現代ではほとんど使われることがなくなってしまった言葉です。
とても重要な印判を押す場合に使われる言葉ですが、現在では「押印」や「捺印」などに言い換えられることが多く、ほとんど創作物の中でしか見ることはなくなってしまいました。
「捺印」の意味や使い方とは?
「捺印」の意味や使い方とは?
「捺印」とは、印鑑を押すことであり、「署名捺印」という言葉を省略した言葉です。
「署名捺印」の「署名」とは、自筆の記名やサインである自署をあらわすことから、「捺印」はその自署に印鑑を押すことをあらわす言葉となっています。
読み方は「なついん」であり、印鑑証明など、自署が必要な正式な書類に印鑑を押す際に使われます。
また、自署とはボールペンなどを使って書かれた本人が自筆で氏名を手書きしたものであり、本人以外が書いた代筆のものや名前のゴム印、パソコンで印刷したものなどは使うことができません。
「捺印」は署名の部分もとても重要なものであり、また、法的効力も持っているものです。
「押捺」と「捺印」の違いについて詳しく解説
「押捺」と「捺印」の違いについて詳しく解説
「押捺」と「捺印」はどちらも重要な印鑑や印判を押すという意味は共通していますが、はっきりとした違いも存在しています。
まず、「押捺」での印判は主に人差し指の腹に朱肉を付けて押すものであり、時代劇や映画やドラマではまだ目にすることはありますが、現実ではもうほとんど使われなくなってしまった言葉です。
「捺印」はというと、本人による直筆の自署を書き印鑑を押すことをいい、「署名捺印」を省略した言葉です。
現在も重要な契約をする際などに必ず行われるものであり、法的効力のあるとても大事なものです。
つまり、「押捺」は現在ではほとんど使われることのなくなった古い形式の大事なものであり、「捺印」は現在もっとも重要な法的効力を持った印鑑であるということです。
また、「捺印」は本人直筆の氏名の署名が必要であるという点が注意すべき点です。
「押捺」を使った例文を紹介
「押捺」を使った例文を紹介
・『時代劇やドラマなどで描かれる昔の日本では指に朱肉を付け押捺しているシーンがよくあるが、現実でも本当にあったようだ。
指紋を取ることができるから犯罪などが起こった時の操作に役立てることができそうだが、なぜ現代ではなくなってしまったのだろうか。』
「捺印」を使った例文を紹介
「捺印」を使った例文を紹介
・『中古車を購入し、少しでも初期費用を抑えるために自力で手続きを進めたが、たくさんの書類が必要な上にあらゆる書類に捺印しなければならなくてとても手間がかかった。
次からは素直に購入したお店に頼もうと思った。』
「押捺」と「捺印」の違いのまとめ
「押捺」と「捺印」の違いのまとめ
「押捺」は現在ではほとんど使われることがなくなってしまった人差し指に朱肉を付けて押す判のことであり、「捺印」は重要な契約をする際などに使う自署と印鑑を押すことという意味がありました。