混同されやすい言葉として「言及」と「追求」があります。
このふたつは音がよく似ていることもあり混同されることが多いのですが全く意味の異なる別の言葉です。
今回は、「言及」と「追求」の違いについて解説します。
「言及」とは?
「言及」とは?
「言及」とは「ある事柄について話をすること」という意味で使われる言葉です。
「言及」が意味するのは「話題やテーマについて触れて言葉にすること」です。
一般的にはある程度話題になっていること、関心の高い事柄に対して関係者や専門家などが自分の意見や知見を述べることを指します。
「言及」の「及」という漢字には「ある所、段階、状態などに達する」という意味があります。
言葉がある所にまで達するのが「言及」のいいするところであり、話題になっている事柄や関心の高いテーマなどが「ある所」に当たります。
意味合いとしてはいきなり直接的にその話をするのではなく話の流れの中でその話に触れるようなケースを指して「言及」と表現します。
「言及」の使い方
「言及」の使い方
・総理大臣が増税について言及する。
・監督は選手が起こした交通事故について言及を避けた。
・新幹線の延伸問題について県知事が言及した。
・社長が自らの進退問題について初めて言及した。
「追求」とは?
「追求」とは?
「追求」とは「目的を達成するために追い求めること」という意味の言葉です。
「追求」には「ゴールをめざして突き進む」というニュアンスがあります。
答えや真実に対しあきらめず努力してつかもうとする行為が「追求」の意味あいです。
具体的な目的や目標に対して真っ直ぐ進む姿勢を表現するときに「追求」が使われます。
「追求」は追い求める姿勢や様子そのものを指す言葉なので達成度合いや効率などは問いません。
目的達成はほど多い状況であっても姿勢そのものが前向きであり追い求めるものであるならば「追求」が適切な表現になります。
似たような言葉として「追及」や「追究」がありますがこれらは全く意味が異なります。
「追及」は相手を追い詰めること、「追究」は深く掘り下げ明らかにすることを指す言葉です。
「追求」とははっきり区別して使われる別の言葉なので注意してください。
「追求」の使い方
「追求」の使い方
・どこまでも幸せを追求する。
・人類は快適さを追求して技術を発展させてきた。
・利益を追求する気持ちには際限がない。
・芸の道を追求する。
「言及」と「追求」の違い
「言及」と「追求」の違い
「言及」はある事柄に対して言葉にすることですが「追求」はある事柄を追い求めることを意味します。
ふたつの違いは具体的な行動の有無です。
「言及」は言葉にするだけですが「追求」は目的に向かって行動している様子を表します。
言葉にすることは全て「言及」なので肯定的な話も否定的な話も含まれますが「追求」は目的に向かって真っ直ぐ進むことなので常に前向きな姿勢を意味する言葉として使われます。
まとめ
まとめ
音がよく似ている「言及」と「追求」ですが意味合いは全く異なる別の言葉です。
間違えて使ってしまうと話が通じなくなってしまいます。
言葉の本来の意味を知り正しく使いましょう。