「養殖天然」とは？意味や言葉の使い方、概要(元ネタ)など

人の性格やタイプをあらわす言葉として「養殖天然」という表現があります。

この言葉は具体的にどのような人を指しているのでしょうか。

今回は、「養殖天然」の意味と類語を紹介します。

「養殖天然」とは?意味

「養殖天然」とは、「意識して自覚的に天然な正確のふりをしている人」を指す言葉です。

「養殖天然」の概要

作為なく自然に振る舞ったり直感的に行動したりする人のことを指して「天然」と表現します。

「天然」という言葉はコメディアンの萩本欽一氏がお笑い芸人で芸術家としても活動するジミー大西氏と共演したときに発した「天然ボケ」という言葉が揺らいだとされています。

お笑い芸人なら頭を使って考えたり作りこんだりして面白いことをするのが常識ですが、生まれついてのセンスを生かして面白いボケを連発する様子を例えた「天然」という表現はこれまで曖昧模糊とされてきた存在に新たな価値観を与える気付きの一言でした。

欽ちゃんによる「天然」の発見以降、芸能界には多くの「天然」が登場します。

芸人以外にもアイドルやスポーツ選手など自然な振る舞いが笑いにつながる「天然」の人はたくさん現れますが、自然な言動で人気を集める彼らにあやかろうと意識して演じる存在が「養殖天然」です。

「養殖天然」という言葉は本来矛盾した表現です。

自然でとれた「天然」とは異なり人工的に養殖した魚などを指す言葉が「養殖」なので「養殖天然」というのはありえない表現なのですが、「人工的に造られた天然ボケ発言をする人」という少々わかりにくい存在を端的に証明しているよく出来た造語です。

「養殖天然」は天然ブームにあやかろうと芸能界で誕生した存在です。

インパクトに欠ける新人アイドルにキャラ付け使用とわざと天然風の発言をさせるなど「養殖天然」で人気者を目指す芸能人は少なくありませんでした。

数多く現れた「養殖天然」のうち芸能界で生き残っているのはほんの一握りで、その人達も「養殖天然」に耐え切れずほとんどがあれは作ったキャラであると後になってカミングアウトしています。

一般人でも可愛く思われようとキャラを演じる「養殖天然」はたくさんいます。

無邪気な言動や奔放なふるまいだと思わせておいて裏では計算高く行動を演出しているのが「養殖天然」であり、本来の天然とはかけ離れたしたたかな存在です。

「養殖天然」の言葉の使い方や使われ方

・『無邪気なふりをしているがどう見ても養殖天然にしか思えない』
・『天然ってよく言われるんです、と嬉しそうに話している人は養殖天然の可能性が高い』
・『同じ女性から見ると養殖天然だとすぐわかるが男性は簡単に騙されてしまう』
・『金目当てで養殖天然を貫ける精神力はある意味尊敬に値する』

「養殖天然」の類語や言いかえ

・ぶりっ子
「かわいこぶりっ子の略で、本性を隠して可愛い子ぶること」を意味する言葉です。

「養殖天然」が造られた天然を指すのに対し、こちらは造られた可愛い子を指します。

無邪気で天然なふるまいは可愛さにもつながることから似たような意味合いで使われています。

・偽装天然
「天然を偽装している人」を意味する言葉です。

「養殖天然」が人の指示やトレーニングなど他人の責任が大きい状況で天然を演じている人を指すのに対し、こちらは自らが積極的に天然を装っている悪意が強めの人を指します。

まとめ

わかっている人からすると「養殖天然」は相手を騙しているのと同じ悪質な存在ですが実際は異性にもてる人気者であるケースが少なくありません。

コミュニケーションにおいてキャラを演じたり演出したりすることは誰にでもあることですがやり過ぎには注意してください。