敗北を表す言葉として「惨敗」と「完敗」があります。
同じような意味合いで使われる言葉ですがどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「惨敗」と「完敗」の違いについて解説します。
「惨敗」とは?
「惨敗」とは?
「惨敗」とは、「全くいいところがなくズタボロに負けること」を意味する言葉です。
敗北を表す言葉はいくつかありますが、それらの言葉は基本的に負け方や負けの内容で区別されます。
数ある敗北を意味する言葉の中でも「惨敗」という言葉は最も程度がひどい負け方を表しています。
「惨敗」とは「心に傷を負いかねないような救いようがなく惨めな敗北」を意味する言葉です。
これ以上はないと思えるほど徹底的に負ける様子を表していますが、ただ勝負に敗北するだけではなく「勝負に望んだ当事者たちが深い衝撃を受け立ち直れなくなってしまうほどのひどい負け方」という勝ち負けを超えたショックの意味合いを含む表現です。
もちろん「惨敗」したからといってすべてが立ち直れなくなってしまうわけではなく見事に乗り越えることもありますが、敗北した瞬間は現実を受け入れたくないと思うほどの辛い気持ちでいっぱいになるのが「惨敗」であり並大抵の負け方に対しては使われません。
「惨敗」の使い方
「惨敗」の使い方
・『強豪校相手に勝負を挑んだが、結果は惨敗に終わった』
・『決勝戦で惨敗しそのまま引退するとなった』
・『期待を集めていた挑戦者だったが2ラウンドKOの惨敗という結果だった』
・『トップアスリートは惨敗を乗り越えてさらに強くなっている』
「完敗」とは?
「完敗」とは?
「完敗」とは、「なすすべもなく徹底的に負けること」という意味の言葉です。
こちらがやることは通じないのに相手のやることには何も対抗できず一方的なまま敗北を迎えてしまうような「少しも見るところがない完璧な負け」を指して「完敗」と表現します。
一般的には「運や偶然ではなくお互いが実力を発揮して正々堂々勝負したのに手も足も出ず負けてしまうこと」を「完敗」と表現します。
得点に大差がついたり圧倒的なタイム差がついたりといった結果が大きく違うことを意味するのではなく、付け入るスキが見つからなかったり技術や戦術が通用しなかったりといった「勝ち目が全くないままの一方的な負け」が「完敗」です。
「完敗」の使い方
「完敗」の使い方
・『決勝戦ではベテラン選手に完敗した』
・『完敗という結果を受け入れるには時間がかかりそうだ』
・『彼が乾杯するようであれば日本国内で通用する人間はいない』
・『圧倒的なパフォーマンスの前に完敗を認めるしかない』
「惨敗」と「完敗」の違い
「惨敗」と「完敗」の違い
「惨敗」と「完敗」の違いは「勝負の後の気持ち」です。
「惨敗」とはひどい負け方や惨めな負け方など、胸を誇れる部分がないほど徹底的に負けてしまうことを意味します。
大きな得点差をつけられたりあしらうようになめた態度の相手に負けたりなど、勝負の後に清々しさが残らず恥ずかしさや悔しさでいっぱいになるほど程度のひどい負け方を指します。
「完敗」とは相手の凄さを素直に認められるようなすがすがしい負け方を指します。
負けた悔しさや辛さとは別に相手を褒め称えたくなるような爽快感さえ感じるような潔い負け方が「完敗」です。
まとめ
まとめ
同じ敗北を意味する言葉でも「惨敗」と「完敗」では大きく意味が異なります。
勝負の行方だけでなくその後にどんな気持ちになるのかまで考えてどちらの言葉を使うべきか判断してください。