「スラム街」と「ドヤ街」の違いとは?分かりやすく解釈

この記事では、「スラム街」「ドヤ街」の違いを分かりやすく説明していきます。

「スラム街」とは?

「スラム街」とは?

「スラム街」とは、都市の中に形成され、貧困層が過密した状態で居住する地域を指します。

貧民街とも呼ばれます。

経済的に困難な世帯が集まって恒久的に居住しており、都市部にありながら衛生管理が不十分で居住環境が劣悪なところが特徴です。

「スラム街」は世界の各地に存在し、特にアフリカ、アジア、南米に多いとされます。

またニューヨークやロンドンなど先進国の都市部にもみられます。

「スラム街」に居住するのは、地方や発展途上国から働き生きた貧困層です。

インフラが行き届かないために快適な生活が送れず、生活環境や治安の悪化、感染症のまん延などさまざまな問題が蓄積されています。

スラム世帯は年々増加しており、2030年には20億人を超えることが懸念されています。

SDGsでは目標のひとつに「世界中の人が安全で快適に暮らせるまちづくり」を掲げており「スラム街」の環境改善、スラム世帯の就労支援などの取り組みが進められています。

「ドヤ街」とは?

「ドヤ街」とは?

「ドヤ街」は、日雇い労働者用の簡易宿泊所が集まる地域の俗称です。

日本では高度成長期から各地に「ドヤ街」と呼ばれる簡宿街が形成され、「寄せ場」で仕事のあっせんを受ける日雇い労働者が、簡易宿泊所で寝泊まりをするようになりました。

「ドヤ街」は一つの街ではなく、一般の住宅街の中に宿泊所が集まる場所を指します。

「宿」【やど】を逆さに読んで、そのような俗称で呼ばれるようになりました。

「ドヤ街」は、一時的に滞在する単身の肉体労働者が居住していますが、昔から衛生状態や治安の悪さ、住人同士のいざこざや事件などが問題になることが多かったのです。

利用者の高齢化に伴いドヤ街の規模は縮小してきましたが、治安の悪さや住人の貧困などの課題は消えず、地域で仕事をあっ旋したり住民による炊き出しをおこなったりとサポートが進められています。

国内最大規模の「ドヤ街」がある大阪市のあいりん地区は、再開発によって「ドヤ街」特有の雰囲気を観光資源に活用したり、簡易宿泊所をバックパッカー向けの安価な宿として提供したり、かつてのイメージと違う街づくりもおこなわれています。

「スラム街」と「ドヤ街」の違い

「スラム街」と「ドヤ街」の違い

「スラム街」「ドヤ街」の違いを、分かりやすく解説します。

「スラム街」は世界各地の都市部に形成される、貧困層の世帯が過密した状態で集まる地域のことです。

「ドヤ街」は、日雇い労働者向けの簡易宿泊所が集まった地域の俗称です。

「スラム街」は貧困層の世帯のみが集まって恒久的に居住していますが、「ドヤ街」は単身者が一時的に滞在し、周辺の一般住民と同じ地域で生活しているところが「スラム街」と異なります。

ただ「ドヤ街」の中には「スラム街」に近い雰囲気を持つ地域もあり、衛生環境や治安の悪さが問題になることも少なくありません。

近年は、ひとりひとりが快適に暮らせる社会を目指し、「スラム街」「ドヤ街」とも、環境を改善する取り組みも進められています。

まとめ

まとめ

「スラム街」「ドヤ街」については「イメージはわかるけど詳しいことは分からない」という人も多いでしょう。

両者は混同されることもありますが、はっきりした特徴の違いがあるので、どのような地域なのか確認しておくことをおすすめします。

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