「ヨーソロー」の解説
「ヨーソロー」の解説
「ヨーソロー」という航海用語は、「船を舵取りして転舵(てんだ)した後に、その船が所定の針路に向かっている前提で、そのまままっすぐ進めという命令・掛け声」のことを意味しています。
また「ヨーソロー」というのは、「海軍において良い・よろしいという意味を持つ調子の良い肯定的な掛け声」を示していることもあります。
幕末の幕府海軍でも「ヨーソロー」は使われましたが、特に日本海軍(大日本帝国時代)・海上自衛隊で「了解です・問題なし」の意味合いでも「ヨーソロー」が使われています。
「ヨーソロー」の語源は「宜う候・宜候・好う候・好候」にあるとされていて、「ようそろ」と読みます。
「ヨーソロー」という船上の掛け声の歴史的な起源は、室町時代に瀬戸内海中心に活躍していた「村上水軍」の航海術において使用されていた掛け声にあると推測されています。
「ヨーソロー」の使われ方
「ヨーソロー」の使われ方
「ヨーソロー」は船上の指示命令や掛け声として使用されている航海用語です。
船の舵を回して転舵し、船が進むべき方向・進路を定めた時に、「そのまままっすぐに進め・そのまま前進せよ」という指示命令の意味合いで、「ヨーソロー」という言葉が使われています。
また海上自衛隊などでは、「問題なし・了解ですなどの肯定的な返事」を意味する掛け声として使う使い方もあります。
さらに各種のメディア作品のタイトルやアーティストの楽曲のタイトル・歌詞、ゲームのセリフなどにも、前進していくという前向きな意味のニュアンスを持つ「ヨーソロー」が使われているのです。
例えば、「光GENJI」の楽曲「ヨーソロー!未来へよろしく(1994年)」のタイトルや演歌歌手「氷川きよし」の楽曲「あばよ(2007年)」の歌詞などに、「ヨーソロー」という表現が使われています。
さらに歌手「森山直太朗」の楽曲には、ヨーソローをそのままタイトルにして使っている「ヨーソロー(2012年)」があります。
ゲーム「うたの☆プリンスさまっ♪」に登場するキャラクターの四ノ宮那月と来栖翔」によるキャラソン「GO!×2ジェットコースター」にも、「ヨーソロー」の言い回しが登場します。
「ヨーソロー」の例文1
「ヨーソロー」の例文1
・『舵を回した後にヨーソローという船長の掛け声がかかると、船は急速にスピードを上げて前進を始めました。』
「ヨーソロー」の例文2
「ヨーソロー」の例文2
・『ヨーソローという航海で使われることが多いポジティブな言葉は、現代ではアーティストの楽曲や各種メディア作品のタイトルに使われるケースも多くなっています。』
「ヨーソロー」の類語・言い換え表現
「ヨーソロー」の類語・言い換え表現
「ヨーソロー」の類語・言い換え表現には、以下のようなものがあります。
「全速前進(ぜんそくぜんしん)」……その船でできる限りのスピード(最大限のスピード)を出して前に進めという指示・命令を意味している言葉です。
「前に進め」「そのまま進め」……そのままの方向・角度を維持して、前方に進めという指示・命令を意味している言い回しです。
「了解(りょうかい)」……「ヨーソロー」には、船上において船長・船員の呼びかけに対して「分かりました」と答える「了解」の意味があります。
「了解」とは、「指示された内容(呼びかけられた内容)に対して分かりました・理解しました」ということを意味している言葉です。
「問題なし」……「ヨーソロー」には、船上で船長・船員から「何か問題や異常はないか?」と質問された時に、「何も問題はありません・問題はないので大丈夫です」と答える「問題なし」の意味があります。