ネット上で見かける独特の表現として「思い出補正」があります。
この言葉はどのような意味を表すのでしょうか。
今回は、「思い出補正」の意味と類似表現について解説します。
「思い出補正」とは?意味
「思い出補正」とは?意味
「思い出補正」とは、「思い出のある過去の出来事に対して無意識のうちに美化してしまい実際以上に評価してしまうこと」という意味で使われる言葉です。
「思い出補正」の概要
「思い出補正」の概要
人は自分にとって都合のいいように記憶や認識を変えてしまうことがあります。
辛いことも楽しいこともあった学生時代の思い出のうち嫌な思い出を都合よく忘れたり都合よく改ざんしたりするケースは程度の差はあれど多くの人に見られる現象です。
そのような多くの人に見られる無意識のうちに過去の記憶を作り変える現象のことを「思い出補正」といいます。
「思い出補正」とは「思い出深い出来事を美化し嫌なことをなかった家のように思い込み高く評価すること」です。
初めて好きになったアイドルや子供の頃に熱中していたゲームなどは実際の出来栄え以上に楽しんでいた、夢中になっていたという気持ちが増幅されて記憶に焼き付いています。
そのような自分の中で大きく膨れ上がった素晴らしいという評価が過去の記憶そのものに影響してしまう現象をさして「思い出補正」と表現します。
現実には欠点もあれば悪いところもあったはずなのに楽しかった、素晴らしかったという思い出が目を曇らせてしまい実際移譲に良いものであったという補正をかけ思い出を美化するのが「思い出補正」のあらわす意味合いです。
記憶の中にある思い出がどんどん美化され素晴らしいものであったと思い込んでしまうのは多くの人に見られる現象です。
ただの思い出話として美化されているだけなら問題ありませんが作品を客観的に評価したりランキングをつけたりするときには「思い出補正」がじゃまになることがあります。
マンガやアニメなどで歴代作品を評価するようなケースでは作品としての出来栄えではなく作品に対する子供の頃の思い入れや楽しかった記憶が評価にプラスされてしまい古い作品ほど高い支持を集めてしまう傾向が見られます。
そのような偏りは「思い出補正」によるものである可能性が高く、個人レベルの思い入れが客観的な評価に影響を与えてしまうことで不都合が発生しています。
「思い出補正」の言葉の使い方や使われ方
「思い出補正」の言葉の使い方や使われ方
・『第一作目が最高傑作だというのは思い出補正が強すぎる』
・『思い出補正により実際の出来栄えよりも高く評価されている』
・『昭和が素晴らしい時代だったというのは思い出補正に過ぎない』
・『今が充実している人ほど思い出補正が少ない』
「思い出補正」の類語や言いかえ
「思い出補正」の類語や言いかえ
・ノスタルジー
「過去の出来事を懐かしむ気持ち」を意味する言葉です。
「思い出補正」が過去を実際以上に評価するのに対し、こちらは過去に親しみを感じ求める気持ちを表しています。
まとめ
まとめ
ネットで誕生し今では一般にも浸透している「思い出補正」ですが一歩間違うと過去を過剰に評価してしまう危険をはらんでいます。
思い入れのある物事に贔屓してしまうのは誰にでもあることです。
思い出を評価するときは補正がかかることを前提に割り引いて考え公平さを保ちましょう。